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向精神薬擬人化その12:リタリン
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一般名、塩酸メチルフェニデート。
愛称は「りた」。
規格は10mgと散剤のみ。

学園最強のアッパー娘。
担いでいるモーニングスターは、
あらゆる人間を叩き起こす。
「おはようマイ・マザー
一番星君グレート」に匹敵する
マジックアイテムだ!!(古いな俺も)

服装はリタリン瓶から起こしたもの。
スク水にしようかずいぶん迷ったけど、
露出高すぎて下品になるのでワンピースに。

つぶれて見えないけど、黒目は存在せず、星飛雄馬のように、目の中が燃えてます。

マントっぽい物は、ポリプロピレンの分包紙なので透けてます。
リタリンはシートがないので、分包されて渡されるんだよね。
「矢印の方向にお切り下さい」のメッセージも入れたかったけど
細かすぎて読めなくなるから矢印だけ。

抗不安薬でも眠剤でもないので、その他クラス(Cクラス)に編入されている。
Cクラスは、彼女のような精神賦活系の他にも、非麻薬性鎮痛剤とか
自律神経失調症薬とか、強いのから弱いのまでごっちゃになった混沌クラス。
そのためか、クラス内のまとまりはほとんど無い。

彼女の覚醒系魔法は圧倒的で、第一級戦闘種に認定されており、
ダウナー系最強の、ソセゴン「扇」とともに、学園の双璧と称される。
でも当事者同士の仲は、当然のように最悪である。

知能はかなり高いが、たいへん悪戯好きで、暇になるとロクな事をしない。
自分の力をほとんど自覚してない困ったちゃんなので、わりと簡単に
そこらの人間を燃やしまくり、真っ白に燃え尽きた矢吹ジョーを量産している。

気まぐれで芸術的な仕事をすることがあり、一部の人間からは神のように
崇められている。また、何故か子供好きで、なだめたり落ち着かせたりするのが
めっぽう上手い。
これらの事実から、色々と事件を引き起こしても、学園追放処分には至っていない。




…リタリンの評価は難しいです。

日本で一番有名なアッパー系向精神薬。リタリン「チバ」のチバは千葉県のことでは
ありません。スイスのCIBA社(Company for Chemical Industry BAsel)の略です。
ちなみにチバ社はその後ガイギー社と合併してチバガイギー社となり、
更にサンド社と合併してノバルティスファーマ社となったため、現在リタリンは
ノバルティスから販売されてます。錠剤刻印の「CG」はチバガイギーの略ですね。

薬理的には、ドパミン神経とノルアドレナリン神経を賦活させる事が知られています。
ブプロピオンのように、ドパミンとノルアドレナリンの前シナプスへの再取り込みを
抑制すると共に、前シナプスからのドパミン放出を促進させるため、一般的な
抗うつ薬に比べると非常に即効性があります。しかし前シナプスのドパミンが
枯渇したときの疲労感と脱力感も極めて高いです。

ただリタリンは作り置きされたドパミンを消費するため、疲労感は比較的短いです。
アンフェタミン等の覚醒剤は生産直後のドパミンさえ放出してしまうので、長時間に
渡り鬱状態と脱力状態が続き、精神的依存による乱用を起こしやすいです。

1957年、リタリンは抗うつ薬およびナルコレプシー治療薬として、チバ社より販売
されました。しかし、販売当初から乱用問題が取り沙汰され、1968年に
スウェーデンで販売中止になったことを受け、1971年に米国で所持規制薬品に
指定されます。

当初期待されていた抗うつ効果も、一時的にしか効かない上にかえってうつを
悪化させる可能性があることが分かり、ナルコレプシー以外にほとんど
使われなくなりました。

そんな事情が変わったのは、米国でリタリンがADHD(注意欠陥多動障害)児童の
治療に広く使われはじめた1980年代でした。その劇的な効果が認められるや、
瞬く間に処方量は増え始め、90年代後半に入ると実に米国児童の50人に1人が
服用するようになりました。米国での販売量は3億錠を超え、
世界流通量の約85%を占めています。

ADHDにリタリンが何故効くのかは、イマイチよく分かっていません。
ADHD患者はドパミン神経とノルアドレナリン神経の一部がうまく働いていないため、
リタリンがそれを補っているのだ、という大雑把な説明しかできてません。
ただADHD患者はリタリンに対し、依存性や耐性を起こしにくいことが知られています。

日本ではリタリンにADHDの適応がありませんが、リタリンの外来通院における
処方頻度は小児科が一番多いように思います。
苦いので子供には不評だと思いますが。

逆に言えば大人に対しては、ナルコレプシーでもない限り滅多に使われません。
適応に難治性うつ症というのがありますが、使用禁忌にもうつ病患者が入ってます。
一見矛盾してますが、つまりは他の抗うつ薬や心理療法や電気ショックが効果無く、
どうしても効果的な治療法が見つからないときに限り使用すると言うわけです。

下手に使うとうつ病が悪化するので、熟練した精神科医ほどリタリンを使いません。
治療の初っぱなからリタリンを使うような医師はよほどの名医か、ただのヤブです。
そして後者の方が圧倒的に多いので、世にリタリン乱用者が溢れているわけです。

また、リタリンの処方箋を見たら偽造を疑えと言われるほど、偽造処方箋の
筆頭候補薬でもあります。最近では薬局の方も警戒しているので、たとえ正規の
処方箋でも、門前の薬局でなければ受け付けてくれないかもしれません。

精神賦活薬というジャンルでは、他にベタナミン・サノレックス・モディオダールの
3種類が日本で販売されています。

そのうちベタナミンは効果が弱く、また肝機能障害を起こしやすいという欠点があり、
ほとんど使われていません。サノレックスは食欲抑制という極めて特殊な用途にしか
適応がないため、これも出回っている数は少ないです。

最近認可されたモディオダールに至っては、ナルコレプシーのみに適応を限定し、
使用者を逐一メーカー側で確認するという麻薬並みの厳重な管理下にあるため、
個人輸入が出来た昔よりも入手は困難な状態です。

実質的なADHDの治療薬はリタリン以外に存在しないので、今後もしばらくは
「子供限定の覚醒剤」というリタリンの奇妙な位置づけは変わらないでしょう。
ただ、日本では発達障害の専門医がほとんどいないので、
米国並みにシェアを伸ばすことは無いと思います。残念(?)
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by haya by hayanoya | 2007-04-16 03:21 | ちびまる向ちゃんトピ | Comments(9)
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Commented by 軍医中尉 at 2008-01-03 19:38 x
精神科の病院でも診療しているので、ある程度の面識はあるわけですが、専門ではないのでほとんど縁のなかった(これからもない、だろう)薬剤です。でもこの薬のネーミングってど~して?なところがあったんで印象にあるんです。リタリエーションて英語は復讐とか報復ですよね、その禍々しさがルボックスやリスパダールには見よう見まねで手を出してた自分を遠ざけてたんですね。問題が報道されて、処方してなくてよかったー、な世界でした。でもこうしてみると、「~りん」ていうのもアキバ的にはかわゆいかもw。
今回の情報は門外漢にはとてもためになりました^^ありがとです。
Commented by hayanoya at 2008-01-04 00:01
リタリエーションという単語、恥ずかしながら初めてお目にかかります。
リタの語源かどうか分かりませんが、リタを乱処方した医師が次々と
「報復」されているのを見ると、なかなかブラックなネーミングですね♪

私が受けた処方箋では小児がほとんどだったんですが、それだけでは
年間3000万錠には至りませんね。やはり不正処方が横行してたんでしょう。
でも、今回の厚労省の措置は非常に釈然としないものがあります。
もうすぎた話ですけどね。
Commented by 軍医中尉 at 2008-01-04 05:01 x
さっそくのレス痛み入り~ですw。retaliationはよく軍事外交分野で使われる単語のようです。ご参考までに^^
Commented by hayanoya at 2008-01-04 20:06
検索したら、報復戦争 wars of retaliation という単語でよく使われてますね。
米国の同時多発テロ~イラク侵攻の際、しきりに用いられたんでしょうね。
勉強になりました。ありがとうございましたm(_ _)m
Commented by 滅智蓮寺 熾 at 2015-09-30 07:54 x
お久しぶりです。

>前シナプスからのドパミン放出を促進させるため、

とのことですが、私が英語圏の論文などを検索して調べた限りでは、メチルフェニデートは強力なドーパミン再取り込み阻害剤であるものの、ドーパミン放出作用もあるという話が見当たらないのです。
ドーパミンの放出能力はEC50 ○○nMといった単位で比較されることが多いのですが、そういった数値を調べてみても、一般のアンフェタミン類の数値はよく見つかるのですが、メチルフェニデートについては見つかりません。
放出作用については、何か書籍や論文などに書かれているのでしょうか?

あと、結構前にこちらのブログに載っていた2つのメールアドレスにメールを送ったのですが、片方はエラーメールが戻ってきてしまいました。
実は今ちょっとご連絡したいことがあるのですが、どちらのアドレスに送ればよろしいでしょうか?
Commented by hayanoya at 2015-10-01 01:14
お久しぶりです。先日はメールの件で大変失礼しました。
Gメールなので、 @gmail.com が正しいドメインになります。
あまり突っ込んだ内容にはお答えできないかもしれませんが…(汗

この頃のブログは、だいたい星和書店の「精神治療薬体系/改訂新版
2001」を参考にして書いています。ご指摘の箇所は中巻263ページ、
「アンフェタミンとメチルフェニデートの前シナプスにおける
ドパミン放出機構の差異」を述べている部分から引用しました。
PubMedで探すなら "Biochemical differentiation of amphetamine vs methylphenidate and nomifensine in rats."あたりで検索すると
出てくるかと思われます。ただし私は英語が非常に苦手なので
日本語の本の方しか読んでません(笑 
Commented by hayanoya at 2015-10-01 01:23
って、よく見たらブログ下のメール宛先設定がそもそも間違えて
ましたね(滝汗 ブログ開設当初からずっと間違えたままだったのを
ようやく修正しました。ご指摘ありがとうございました(焼き土下座
Commented by 滅智蓮寺 熾 at 2015-10-02 00:36 x
お久しぶりです。
「3位じゃ駄目なんです!(続き)」のコメントも読ませていただきました。
メールの方は一度ブログ最下部のアドレスに送った後、エラーメールが返ってきたので通販ページに書いてあった「hayanoya@gmail.com」に2014年12月19日に送り直していました。

連絡したいことというのは、実は私がある書籍のうちの一章を担当することになったので、よろしければ原稿を見ていただいてご感想を頂けないかなと思ったのです。

参考文献を教えていただきありがとうございました。
英語論文は検索してもPDFが見つからないので、英語がほとんどできないこともあって探すのは諦めました(笑)

私の手元にある本だと、『ストール精神薬理学エセンシャルズ 第4版』の529ページで、アンフェタミンはDATを介してシナプス前ドーパミン神経終末に輸送されてしまうが、これはメチルフェニデートにない作用だと書いてあり、アンフェタミンが神経細胞に入り込むとドーパミンを放出させますが、そもそもメチルフェニデートは神経細胞内に入れない(立体構造的にDATを通過できない)ので放出作用は持たないのではないか、と考えています。
基本的に、アンフェタミン骨格のβ位にベンゼン環が付くとピプラドロールやデソキシピプラドロールのような、放出作用のない再取り込み阻害剤になりますが、メチルフェニデートのようにベンゼン環の代わりにエステルが付いていても同様だと聞いたことがあります。
もし『精神治療薬体系』を見る機会があった時はよく読んでみます。
Commented by hayanoya at 2015-10-04 01:38
な…なるほど…考えたことも無かったですわ(汗
私はエセンシャルズ第3版しか持ってないですが、その114ページにも
似た様な記述が書かれてますね。まぁ精神治療薬体系が参考にしてる
論文は1977年と相当古いので、こっちが間違っている可能性は高い
ですね。ただもう一度読み直してみると、「メチルフェニデートは
顆粒内のDAを放出させる」と曖昧にしか書かれておらず、具体的に
細胞内に入ってその作用を起こしているかは不明です。シナプス顆粒
はエキソサイトーシスによって一度膜に融合するので、そのときに
何らかの放出促進作用を起こしているのかも知れません。
なんかコーランの原書を拡大解釈している原理主義みたいだ…(汗

感想を言うくらいなら全然構いませんが、私は神経科学の研究者でも
なければ精神科病院の薬剤師でもない、一調剤薬局の人間ですんで、
実りのあるコメントは期待できないとあらかじめ忠告しておきます(笑
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