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向精神薬擬人化その15:ロヒプノール
向精神薬擬人化その15:ロヒプノール_f0133373_10483041.jpg
一般名フルニトラゼパム。
規格は1mgと2mg。
注射もあり、麻酔薬として有名。
愛称は「ろひの」。

レキソタンと並んで、ロシュの
向精神薬の、代表的存在です。

最初は名前通りヒュプノスの姿にしようと
思いましたが、ギリシア服のモッサリ感が
世界観に合わないので、あえなくボツに。
上腕のタトゥはヒュプノスの翼の名残ですw

やはりれきそタンと対になるデザインがいいと思ったので、
ロヒの旧パッケージをそのまま使って、バドガール風に
してみました。中外パッケージ?あんなダサいの認めねぇ!

でもこれ描くのめっさめんどい。失敗かも…。

髪型はナチュラルウェーブ。これまた描くのがしんどい上に
●イズとかハー●イオニーとか有名なのがいるので
余り使いたくないんですが、もう描き分けられないんです(泣

手に持っているのはヘネシーという、えらい高いブランデーです。
睡眠薬の連中は飲んべえばかりですが、彼女も御多分に漏れません。
しおんに並ぶ無類の酒好きです。でもしおんとは違い、高い酒
ばかり飲んでます。浴びるように飲むので味はあまり分かって
ないようです。詰め替えた酒に騙されるタイプですね。

れきそタンと同じく、頭にでっかい錠剤を乗っけてます。

小さい画像だと分からないと思いますが、実は全ての薬っ子たち
は、元となる薬を何らかの形で引っ付けています。
でも、あからさまに薬と分かるのは今までれきそタンだけでした。

これは描くのが面倒だから…というわけでは断じて無く、
頭に錠剤を乗せるのが、「スターンバック直系の証」だからです。

ベンゾジアゼピンの発見者であるスターンバックは、この世界では
学園の創始者、初代理事長に当たる存在です。彼の功績に敬意を
表するため、彼の娘は全て一目で判別できるよう頭に錠剤を乗せ、
学園内で様々な優遇措置が取られているのです。

…はい。ドラゴンボール並の後付け設定乙。

ろひのは、9人いるスターンバックの娘のうち、7人目に当たります。
れきそタンのすぐ下の妹に当たりますが、歳がほとんど変わらない
ので、お互いに名前で呼び合っています。
どちらかと言えばろひのの方が外見は大人びて見えますが、
外面のいいれきそに比べ、ろひのはかなり奔放に振る舞ってます。

しかし、眠剤としての実力は抜きんでており、スターンバックの
九姉妹の中では一番優秀な成績を残しています。ただその力を
使って様々な悪戯を起こしたので、九姉妹で唯一、第二級戦闘種
に指定されてしまいました。

一応、ベンゾジアゼピン最強の睡眠薬なので、睡眠薬クラスの
委員長に任命されています。しかし、非常にズボラな性格なので
雑務は全てあも姐に押しつけているようです。

ただ、人間関係の調整は抜群に上手く、ほとんどの睡眠薬と相性が
よいです。カリスマ的存在と言えるでしょう。
我が強く、ギスギスした性格の持ち主が多い睡眠薬クラスですが、
彼女のお陰で、深刻なトラブルには至っていません。

クラスでは無類の女王様っぷりを発揮し、ワガママ放題ですが、
上記の理由で、恨まれたりすることはないようです。

眠剤のくせにアクティブな行動が大好きで、よく後輩のえみりと
一緒にクラブで踊っています。学園外のイリーガルな連中との
付き合いも深く、彼女たちからは「ルーフィ」と呼ばれています。

そんな付き合いのせいで第二級として警戒されたり、米国追放処分
を受けたりしたのですが、あんまり懲りてないようです。



ロシュの睡眠剤(hypnotics)だからロヒプノール。

単純な名称ながら、「これが睡眠薬だ」というロシュの絶大な
自信がうかがえます。事実、ベンゾジアゼピンで最も強力な
睡眠薬であり、よく比較されるベゲタミンよりも睡眠コントロール
に優れています。

それほど優れた薬でありながら、これと言った開発苦労話は
ありません。スターンバックというロシュ社の天才によって、
一挙に開発されたベンゾジアゼピンの一つであるためです。

1957年、廃棄寸前の薬物「Ro5-0690」に、安定剤メプロバメートと
同等以上の抗不安作用と、それを上回る安全性があることを
全くの偶然で発見したレオ・スターンバックは、この薬物を
「クロルジアゼポキシド」と名付けました。

クロルジアゼポキシドは1960年、リブリウムの名でロシュ社より
発売されました。その3年後、N-オキシド構造を廃し、7員環の
2位をケト基に変えることで、より強力な作用を持つようになった
ジアゼパムが、ヴァリウムの名で発売されました。

ヴァリウムは爆発的に売れ、社会現象に発展し、R.ストーンズが
歌に織り込むまでになりました。何人もの著名人が愛用しました。
アルプラゾラム(ソラナックス)が発売される1980年までの約20年間、
抗不安薬市場はヴァリウムの独壇場だったのです。

これによって、ベンゾジアゼピンの名は飛躍的に高まりました。
彼の発見したベンゾジアゼピン類から派生物を作ろうと、様々な
製薬会社が躍起になりました。

しかし、スターンバック自身も、ヴァリウムの成功に関わらず、
飽くなき研究心を持ってベンゾジアゼピンの開発に望み、
実に9種類ものベンゾジアゼピン類の販売に成功しています。

彼の関わったベンゾジアゼピンを、時系列的にならべてみます。
これらは全部、彼の所属するロシュ社から販売されました。

年代 一般名        代表的国内販売名(会社)
1960 クロルジアゼポキシド コントール(武田:1961)
1963 ジアゼパム      セルシン(武田:1964)
1965 ニトラゼパム     ベンザリン(塩野義:1967)
1966 メダゼパム      レスミット(塩野義:1971)
1973 クロナゼパム     リボトリール(ロシュ:1981)
1974 ブロマゼパム     レキソタン(エーザイ:1977)
1975 フルニトラゼパム   ロヒプノール(ロシュ:1984)
1978 フルラゼパム     ダルメート(ロシュ:1978)
1982 ミダゾラム      ドルミカム(山之内:1996)

これらの発売によって、スターンバックは一時期ロシュ医薬品の
4分の1を稼ぎ出すまでに至りました。まさにベンゾジアゼピンの
父と言う名に相応しい業績と言うべきでしょう。

さて、1960年から80年代後半まで、製薬企業各社によって
膨大な量のベンゾジアゼピンが開発されましたが、
これらは構造式や代謝過程上の特徴により、7系統に分類されます。

1:デスメチルジアゼパム系  :ジアゼパム(セルシン)他
2:デスアルキルフルラゼパム系:フルラゼパム(ダルメート)他
3:3-ヒドロキシ系      :オキサゼパム(ハイロング)他
4:トリアゾロ環系      :トリアゾラム(ハルシオン)他
5:7-ニトロ系        :ニトラゼパム(ベンザリン)他
6:オキサゾロ系       :オキサゾラム(セレナール)他
7:チエノジアゼピン系    :クロチアゼパム(リーゼ)他

それぞれの系ごとに製薬企業が特許を取ったりしているので、
同系統の薬は同じ会社によって開発される事が多いです。
例えば、オキサゾロ系は三共しか作っていません。

スターンバックが開発した9種のうち、ジアゼパム・
ニトラゼパム・フルラゼパムは、ベンゾジアゼピン分類で
それぞれ起始物質となっており、特に重要です。

ロヒプノールは、ニトラゼパムと同じ7-ニトロ系に
属しています。ニトラゼパムにメチル基とフッ素を
引っ付けることで、不活性物に代謝されるまでの
時間が遅延します。活性代謝物の存在時間が長い分、
ニトラゼパムよりも強力な鎮静作用を発揮します。

こう書くと作用時間も延長するのではないかと思うでしょうが、
ロヒプノールはニトラゼパムよりも脂溶性に富んでおり、
脂肪細胞に取り込まれる量が多いため、単回服用において
作用時間は6~8時間と、ほとんど変わりありません。

ただ、やはり分解に時間を要する薬物であるため、
反復服用するとすぐに脂肪細胞の許容量をオーバーしてしまい、
血漿中濃度が定常状態になるのが3~4日と、ニトラゼパムの
6~7日に比べかなり早いです。定常状態になると日中
ボーッとしたり動きが鈍くなったりするので、社会生活上
継続服用は避けた方が無難のようです。

代謝過程が複雑と言うことは、肝臓の仕事量も増えるわけで、
肝臓が仕事を怠ると、すぐに血中濃度が増大します。
肝機能の衰えた高齢者には最大1mgまでしか使えませんし、
肝臓がアルコールの分解に手間取っていたりするとロヒプノールが
過度に作用し、過鎮静、最悪失神に至ります。
この意味で、アルコール併用が最も危険なベンゾジアゼピンです。

そして、危険であると言うことはアンダーグラウンドで人気が
あると言うことです。ロヒプノールはその形状上炭酸に溶けやすく、
無味無臭のために飲料に混ざっても分かりません。
ベンゾジアゼピンの特徴である筋弛緩、記憶障害を考えれば、
明らかに性犯罪を惹起しやすい薬物と言えるでしょう。

91年のハルシオンショックによって、ハルシオンと性犯罪の関連が
クローズアップされましたが、目立つ外見で飲料に溶けにくい
ハルシオンよりも、ロヒプノールの方がはるかに危険な薬です。

実際、ダウナー系ドラッグとしては「Roofie」の名称で親しまれ、
規制物質であるGHBに並ぶ人気商品です。
米国では既に麻薬の類として指定されており、医薬品としての
販売は許されていません。海外旅行で米国へのロヒプノール携行が
禁止されているのは、こういう事情によります。

日本でも欧米の事情を鑑みて、ベンゾジアゼピンで唯一
第二種向精神薬に指定されています。しかし、医薬品としての
有益性と、ダウナー系があまり流行らない日本のお国柄のためか、
販売中止には至っていません。

眠剤として切り札的な存在であるため、販売中止になると、
精神科医療的に大変困ります。
GHBが法規制を食らった現在、バカ医者がバカ患者に乱発し、
社会問題にならないかとヒヤヒヤしております。
…今のところ大事になってはいませんが。今のところ。
by haya by hayanoya | 2007-05-06 11:19 | ちびまる向ちゃんトピ
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