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ニコチン類は百薬の長?
ようやくペン入れがあらかた終わりました。引き続きトーンと写植。
ComicWorksが1時間毎にバグるので大層ウザいんだけど、
ComicStudioの操作体系にどうしても馴染めません…。
そんなわけで更新もままならず放置気味。誠にすいませんm(_ _)m

最近のWIRED VISIONに、ニコチンに関する薬の記事が載ってました。
一応新薬がらみな話なので要チェック。

期待集める「ニコチン由来の薬品」(1)
期待集める「ニコチン由来の薬品」(2)


Slashdotではこの記事を受けて、嫌煙派vs喫煙派のバトルが
起こっているようです。私はタバコを吸わないし、この不毛な
論争に参加する気もないのですが、ニコチンが脳内でそれなりに
重要な働きをしていることは確かなようです。




ニコチンは主に、ニコチアナ・タバカムと呼ばれるナス科の植物に
含まれる成分です。ピリジン環とピロリジン環から構成されており、
酸化するとピロリジン環が外れてニコチン酸になります。

ニコチン酸は主に動物性タンパク質に含まれる、エネルギー産生に
極めて重要なビタミンであり、ニコチンとは全く別種の物質です。
ニコチンと紛らわしいので、ナイアシンとかビタミンB3とか
呼ばれています。

脳内でニコチンはニコチン受容体に結合し、薬理作用を示します。
ヒトはニコチンを合成出来ないので、通常この受容体には
アセチルコリンと呼ばれる物質が作用します。
従ってこの受容体は、正確にはニコチン性アセチルコリン(nACh)
受容体と呼ばれています。

ニコチン受容体の脳内における役割は、各種神経伝達物質の放出
制御であると言われています。ガスコンロのツマミの様なもの
です。アセチルコリンの量により、弱火とか強火とか調節します。

ニコチンは、ツマミを強火で固定してしまいます。確かに一時的に
火は強くなりますが、ボンベのガスが尽きてしまえば火は消えて
しまいます。もう一度火を点けるにはボンベを交換し、ツマミを
戻して点火しなければなりませんが、ニコチンのせいでツマミが
動きません。そうなるとその細胞の活動は止まってしまいます。

ニコチンが出来の悪いドラッグと呼ばれるのはまさにこのせいで、
どれだけ摂取しても最初に味わった以上の多幸感は得られないのに、
強力な依存性のせいで延々と本数を重ねていくことになるわけです。

しかし、ニコチン受容体は別に、ヒトが煙草で多幸感や覚醒感を
得るために存在しているわけではありません。
元々はセロトニンやドパミンなど、各種神経伝達物質の放出が
正常に保たれるよう制御するための受容体です。

統合失調症の患者は喫煙率が高いと言われていますが、これは
情報処理の障害や、抗精神病薬による副作用を軽減しようと
するための、無意識的な自己改善策ではないかとも言われています。

結論を言えば、ニコチンは出来の悪い有害な物質であるが、
ニコチン受容体は脳内で重要な役割を担っている、という事です。

ならば、ニコチン受容体に作用する、ニコチンより使い勝手がよく
アセチルコリンより選択的な物質があれば、良い薬になるのでは?

…というコンセプトかどうかは知りませんが、昨年8月に
ファイザー社が米国で発売した禁煙補助剤「バレニクリン(商品名
チャンティックス)」は、ニコチン受容体の部分アゴニストです。

部分アゴニストとは、受容体に弱い刺激を与えつつ、より強い
刺激物質(ここではニコチン)の受容体への結合を遮断する薬です。
ニコチン受容体を刺激しているので禁断症状は起こらず、
なおかつニコチンによる強い多幸感も抑えることで、
無理なく禁煙を進めることが出来ると言われています。

現在、日本で使われている禁煙補助薬はニコチンをそのまま使って
いるため、禁煙効果を疑問視する人もいます。剤形もパッチ
だったりガムだったりと、使い勝手がよいとは言えません。

内服薬のチャンティックスが日本でも認可されれば、禁煙治療も
よりスムーズに進むと思われます。早い認可が待たれます。

よりアクティブにニコチン受容体を刺激する薬も検討されています。
統合失調症患者の喫煙率の高さに注目し、統合失調症の主症状の
一つである認知機能低下の治療に、ニコチン受容体刺激薬を使おう
というアプローチです。

抗ガン剤の副作用である吐き気の予防に用いる、セロトニン受容体
遮断薬のトロピセトロン(商品名ナボバン)は、ニコチン受容体への
刺激作用を持つと言われており、これを投与した統合失調症の
認知機能が改善したとの報告があります。

定型非定型を含め、一般のドパミン受容体遮断型抗精神病薬による
認知機能の改善は困難と言われています。ニコチン受容体系の薬が
これに効果的であるならば、これは期待の新薬と言えそうです。

ニコチン受容体の働きはこれにとどまりません。神経伝達物質の
放出制御と言うことはつまり、神経伝達物質が関連する精神疾患、
すなわちうつ病やアルツハイマー、ADHD、パーキンソン病などにも
影響を与えうると言うことです。まさにニコチン類は百薬の長!
(…という程には研究は進んでいませんけどね)

16世紀に新大陸から持ち込まれて以来、数多くの悲喜劇を生んだ
ニコチンですが、脳の働きの解明、及び新しい治療薬の発展に
一役買ったことを思えば、単純な悪役とは言えない…のかなぁ?
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by haya by hayanoya | 2007-07-13 01:38 | クスリあれこれ | Comments(0)
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