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向精神薬擬人化その44:イフェクサーSR
久しぶりすぎて↑のナンバリングをいつも忘れる(挨拶
最近とみに睡眠時間が長くなり体の着実なポンコツ化をしみじみ感じます。
ようやく暖かくなって体が動くようになったので更新。

春アニメは不作と言われてるようですが個人的には結構な当たり時期だと
思いますね。カド、レクリ、バハソウル、ID、進撃、エロ、サクラ。
日替わりで楽しめるくらい充実してるよ!

インチュニブが発売され、バカ高い薬価と140錠包装に愕然とする昨今ですが、
ぼちぼち処方される患者が増えてきたイフェクサーを今さら取り上げようかと。
第三世代では最も高薬価の抗うつ薬。みんな飲んでくれてるかなー?

f0133373_01462910.jpg一般名はベンラファキシン。

規格は37.5mg/75mgカプセル。

愛称は「ふぇくしあ」。
くしゃみのような響きだ。

正式名はイフェクサーSRなので
いふぇくさーえすあーる→
ふぇくすあーる→
ふぇくしあです(苦しい)。

パッケージは予想に反してカラフルで派手派手な感じ。
ファイザーから発売なので紺と白の特徴無い外箱を予想してただけに
ちょっと嬉しい誤算。
f0133373_01542225.jpg
なので某バーガーショップの店員ぽい服装です。アニメで有名なワ○ドナルド…
ではなく、ワイスとファイザーの提携ショップ、ワイファイバーガーですw
パツ金は75mgPTPから。1号カプセルなので、まあ、色々でかい。

手に持ってるのはセロトニバーガーとノルアドポテト。バーガーを頼んだら
「ご一緒にノルアドはいかがですか?」とセット品を次々にW字スマイルで勧められ、
気の弱いデプレくん達はいつも225mgセット(¥798)を買わされるのである。
やたらと癖になるバーガーで、変なモノが入ってるのではという疑惑が尽きない。

頭に付けてるリボンはPTPの裏にも印字されてるよく分からん矢印。これで
後ろ髪をシニョンにしてくくっている…のだが詳しい髪型は不明(描けない)。
このシニョンはメチル基-CH3の象徴であり、ほどくと裏人格のプリスティちゃんが
出てくるのだ!…と本人は主張しているが同僚曰くあまり変わらないらしいw

耳に付けてるのはセロトニンとノルアドレナリンの作動性ニューロンを
ディフォルメしたやつ。ピンクがセロトニンで青がノルアド。セロトニンの方が
強いのでノルアドのやつより長めになってます。

足のリングは制服ではなく彼女の私物。活動的すぎる彼女がやたら動き回って
しょっちゅう見えそうになるのを懸念したワイスパパが嵌めたSRリング。
魔力を保存する徐放力があり、大分おしとやかな動きが出来るようになった。

アメリカはフィラデルフィアの出身で、屈指の難関校であるペンシルベニアを
卒業した才女。ワイスパパの自慢の娘であり、きさがヤンデレ化した後は
名門ワイス家の筆頭妖精として米国での実績をひっさげ鳴り物入りで来日し、
アジアのちっぽけな国の学園など主席で入学する…はずだったのだが。

なんと彼女の頭が良すぎて一周してアホな性格のせいで、ひたすら入園試験に
失敗し続けるのである!その間にワイス家は本業の不振で没落し、彼女は
他の子達とともにファイザー家に入籍。ファイザーでよそ者扱いされながらも
ふんだんにある資金で何とか試験に合格し、なんとか面目を果たしたのだが
彼女が足踏みしていた20年の間に国内ではぱきるやぞふぃーやさいんが大体の
第一線で抗うつ魔法を担うようになってしまい、居場所が無くなってしまう。

しょうがないのでDクラス屈指の性能ながら学食でバーガーショップのバイトを
続けている。無駄に営業力は高いので225mgセットはジワ売れしているが
こんな仕事でこの先Dクラスの先輩達を駆逐できるのか?ファイザー家は微妙に
精神科から手を引いているので幸先も不安が残る立ち上がりである。

育ちのせいか人当たりは良く、奔放な性格で周囲とはすぐ馴染んだ。ただ
落ち着きが無く気も短いので思いついたら話さずにはいられない。行動力も
サービス精神も旺盛で、とと美やぱきるが何となく呟いた冗談に機敏に反応し、
善意の精神で面白い話として周囲に広めまくる困った側面がある。
特にとと美は同じSNRIとしてさいんとふぇくしあによく絡まれる立場にあり、
何を考えてるか分からないさいんと何をし出すか分からないふぇくしあに
囲まれて気苦労が絶えない様子。

頭の回転は速いのだが、いったん出した結論を自己否定してまた考え出すので
仕事の効率は良くない。とある入園試験では試験官の期待に応えたいあまり
設計以上の成果を叩き出してしまい、かえってスキルの信頼性を損なってしまう
結果となった。こういった性格が試験に落ち続けた原因のひとつである。

学園生としては新人だがDクラスの連中はふぇくしあの海外の活躍ぶりを
イヤと言うほど聞かされている上に、クラス全員から腫れ物扱いされている
きさと気兼ねなく話せる数少ない人物なので、色々一目置かれている。
米国時代、ストール教授の下でれめると一緒に精神航空力学を学んだ事があり、
患者を打ち上げまくるカリフォルニアのロ○ット団と言われて恐れられた。
Cクラスのあせっととは立ち居振る舞いが似ており、腹違いの姉妹では無いかと
一時期噂されたがその後否定された。ただその縁であせっとと仲は良い。

つづきをよむ
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by haya # by hayanoya | 2017-05-28 02:25 | ちびまる向ちゃんトピ | Comments(33)
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向精神薬擬人化外伝2:Phazepam
インフル今年は流行らんなぁ~と思ってた矢先に鬼流行!
イナビルが苦くて吐いたり泣いたりこぼしたり阿鼻叫喚な薬局模様の中、
ウィルスに塗れながらつつがなく仕事しております。

さて、昨年10月にエチゾラムが向精神薬として制定されたのは皆さんも記憶に
新しいとは思いますが、あの時規制されたのはデパスだけではありません。
エチゾラム、ゾピクロン、フェナゼパムです。

ゾピクロンはアモバンだからいいとして…フェナゼパムって何?
と、日本の薬剤師は誰もが思ったのではないでしょうか。
このフェナゼパム、日本では過去一度も発売されたことはありません。
1975年に旧ソ連で合成され、1978年から現在まで旧共産圏で
最も多く処方されたベンゾジアゼピン系抗不安薬の一つです。
ほとんどの抗不安薬が向精神薬規制されている中、輸入が可能だった
数少ない希少な薬でしたが、この度の規制でそれが不可能になりました。

今後手に入れられる可能性は限りなく低いので精神科的に重要ではないですが
昨年末ブログ読者の方からPhazepamの外箱(中身無し)をいただきまして、
せっかくなので擬人化させてみようと思い立ったのでございます。
刮目せよ!これがクレムリンに咲き誇ったベンゾジアゼピンだ!
f0133373_01323054.jpg
…すまねぇ、ロシア語はさっぱりなんで全く読めません(笑
製品名は「PHAZEPAM-ZN 1mg」だそうです。ZNは製造会社である
「ズダローヴィエ・ナロードゥ」社の略で、「人々の健康」と
いう意味だそうです。ズダローヴィエ単独だと「乾杯」になります。
ウォッカを飲む度に健康を祈るって、それヤバイ酒って認めてry

f0133373_01421690.jpgこのフェゼパムを擬人化させたのがこちら…ですが
これ初見で薬の擬人化と思う奴はいないのでは(汗

一般名はフェナゼパム。
商品名はフェゼパム?ファゼパム?
読み方があまり分かってませんがフェゼパムが一般的。

愛称はロシアっ娘らしく「パーミャ」ちゃんで。
学園生じゃないのでこの子もカタカナです。
パッケージが綺麗なグラデなのでそのままロシアっぽい
服に写し取りました。真ん中のは鉄板に見えますが一応
フェゼパムのPTPです。写真で見る限り地味なんです。

構造式的にレキソタンとよく似ているので、れきそとの対比で
銃を持たせました。ソ連といえばドラグノフですよね!(偏見
Cクラスのあせっとに続く暗殺系女子です。
筒先にはれきそのブロマイドが引っかけてあります。
-Brを持ってるBromideなので…というシャレ。

頭に乗せてる盆栽はフェナゼパムが何故かトルコあたりでBonsai Drugの通り名で
発売されてるのが由来です。大麻と混ぜて売ってるのか代替物として売ってるのか
知りませんが、非常に危険な物質という扱いをトルコでは受けているようです。

北の大地に順応するため無口。狙撃兵なので非常に辛抱強い。
伏射姿勢で60時間は芋砂できるが、ドラグノフの精度調整に苦労するので
ロックオンから狭叉して命中するまで最大4時間かかる。実戦には少し不向き。

学園発足当時は旧共産圏にいたためコネクションがなく、ソ連崩壊後もあまり
目を引く才能では無かったため学園への推挙も無かった。パーミャは日本とは
逆方向に歩み、コーカサスを抜けてトルコ方面で活躍する。

学園があらかたの抗不安妖精を管理下に置いたため、国内の一部の好事家は
未知の刺激を求めてパーミャを召還、「赤いれきそ」の名でその希少さを
称えた。度々れきそと比較されたためにパーミャもれきそに興味を覚える。
いつの日か邂逅(うちあい)を…と思っていたが2016年10月、異端の妖精として
国外永久追放が決まってしまい、その願いは果たせずに終わった。

…と適当書きましたが、飲んだこと無いし患者の評判も聞けないので薬としての
性能はさっぱり分かりません(笑 なので構造式から類推してみましょう。

フェナゼパムは古典的な1、4-ベンゾジアゼピンで、その構造はブロマゼパム
(レキソタン)によく似ています。上部構造は全く同じで、下に引っ付いてる
のがクロロベンゼン環かピリジン環かの違いです。どちらもジアゼパムの系譜
である2-ケト N-デスメチルジアゼパム系に属しますが、実は下がピリジン環に
なっているのはベンゾジアゼピンファミリーの中で唯一レキソタンのみなので、
この意味ではフェナゼパムの方が正統なジアゼパムの姉妹のように見えます。
f0133373_01342242.jpg
ベンゾジアゼピン環7位についている臭素(-Br)ですが、これは正直薬剤的に
強い官能基ではありません。ハロゲン内上位3種で比較すると、電気陰性度は
フッ素>塩素>臭素の順で、電気陰性度が強いと言うことは受容体に強く
結合するという事です。臭素は中途半端な結合力で、かつ分子量も大きいので
受容体に対する据わりが悪く、すぐに受容体と結合する機会を逃してしまいます。
レキソタン(2~5mg)が同じデスメチル体であるワイパックス(0.5~1mg)と較べて
高用量になっていたり、レンドルミンがほぼ同じ構造であるデパスに較べ弱い
薬であると言われるのはこういう理由によります。

従って写真のフェゼパムも、1mg錠ではほとんど効果が現れないのではないで
しょうか。一応下部ベンゼン環に塩素が付いてるのですが臭素のサイズが大きい
ので、受容体への結合性にはあまり寄与しないでしょう。実際フェナゼパムの
臨床力価は3~5mgくらいと言われています。

代謝の面ではどうでしょうか。フェナゼパムの代謝は大体他のベンゾジと同じ
経路をたどります。最初に3位にヒドロキシル基(-OH)が付き、それをフックと
してグルクロン酸が抱合し、水溶性物質となって排泄されます。この最初に
-OHが付くのに時間がかかるので、ベンゾジは一般的に半減期がかなり長いです。

フェゼパムの半減期は15~60時間と言われており、大体他のベンゾジと
合致しております。長い半減期を克服したベンゾジ系抗不安薬はレキソタン、
デパス(リーゼ)、ソラナックス、ワイパックスの5種しかありませんが、
それぞれ現在も強い人気をもつ主力抗不安薬となっていますね。

構造の似たようなレキソタン(約10時間)はどうして半減期が短いのでしょうか。
それはブロマゼパムに特徴的なピリジン環が影響していると考えられます。

ベンゾジアゼピンの代謝がが何故3位のヒドロキシル化から始まるかと言えば、
ベンゾジアゼピン構造で2位のケト基と4位の窒素の間の部分が一番極性が高い、
すなわち水に馴染みやすく、代謝酵素が-OHを植え付けやすいためです。
ではベンゼン環とピリジン環ではどちらが水に馴染みやすいかと言えば、
N原子の電子が余ってる分ピリジンの方が馴染みます。言い換えれば水をより
多く引きつけます。水が多いとどうなるか。代謝酵素による3-OH化より先に
加水分解によってベンゾジアゼピン構造が壊れてしまうのです。

この壊れたブロマゼパムはアミノブロモベンゾイルピリジン、ABBPと
言われており、もちろん抗不安活性はありません。ジアゼパムやメダゼパムでも
このような開裂は起こりますが、代謝物のほとんどが開裂物であるのは
ブロマゼパムの大きな特徴です。これが半減期の短い理由です。

ワイパックスは最初から3-OHがついていますし、デパスやソラナックスは
トリアゾール環という極性の高い環を付加することで別系統の代謝経路を
辿ります。ロシュ社が作った内服ベンゾジアゼピン8製品の中で短時間作用型は
レキソタンだけで、抗不安薬として特別に調整された薬という印象を受けますね。

と言うことで、フェナゼパムとブロマゼパムは構造式こそよく似ていますが
5mg飲めば効果はほぼ同じ、ただし抜けの良さは大幅に抑えられている薬で、
日本に導入する意義は低いと言えるでしょう。処方せん無しで輸入出来たのが
唯一のメリットでしたが、それも昨年で無くなりました。そもそも昨年までは
デパスが個人輸入出来ていたので、輸入薬の中でもランクの低い薬だったと
思われます。1975年に合成されたと言うことなので、ロシュがあらかた特許を
取ったベンゾジアゼピンから何とか新しい派生物を作ろうと苦心したのでしょう。
希少性は高いですが、規制される前も後もあまり乱用問題には影響しなさそう。

途中からなんかレキソタンの解説になってしまったような…
これで向精神薬擬人化その1の代わりになってくれたじゃろうか(待て
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by haya # by hayanoya | 2017-01-30 02:08 | ちびまる向ちゃんトピ | Comments(13)
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明けましておめでトフラニール。
今年こそはもう少し更新頻度を…(毎年の挨拶

昨年末のシンデレラフェスでSSR3枚同時という神引きを経験し、
デレステへのモチベが大幅に上昇しているhayaと申します。
もう石はデレフェス専用にしよう。

さて酉年です。トリと言えばトリサイクリックアンチデプレッサント、
略してTCA、三環系抗うつ薬ですよね!(えぇ…

今年は特にネタも無いので素直に三環系のお二人を描いてみました。
トフラニールのふらっと教授(上)とトリプタノールのとり乃准教授(下)です。
抗うつ薬Dクラスの担任・副担任ポジですがブログ上ではほとんど
取り上げてなかったので以後お見知りおきを。
f0133373_03131759.jpg
…と言っても、抗うつ薬ですら2種までしか使えないこの寒い時代で
彼女たちの出番はほとんど無いかも知れませんね…
SSRIにイマイチ反応が薄い場合はSNRIを試すことになってるのが
最近のセオリー。先月ようやくイフェクサーが長期投与解禁になったので
そろそろ擬人化を進めたい所なのですが…まぁイフェクサーの日本発売にも
20年くらいかかっているのでなかなか出ないのはある意味リアル(言い訳

さて、2017年の新薬展望は…

最近の製薬情況は完全に閉塞感が漂っており、武田やファイザーや第一三共など
一流製薬メーカーですらジェネリック開発にいそしまなければならない
情況です。一方で新薬はといえば完全にバイオ医薬品開発が主流で、我々の
ような場末の薬屋にはとても手の触れられない超高額の注射剤ばかり。
薬の価格帯が完全に二極化し、画期的な合成低分子医薬品を気軽にどの薬局でも
扱えた古き良き時代では無くなりつつあります。

とはいえ、認知症以外の精神科治療にバイオ医薬品が持ち込まれるのは当分先に
なるでしょうから、崩壊しそうな自立支援医療もしばらくは持ちこたえられそう
です。さしあたり各メーカーの有望な精神科薬開発状況を見てみましょう。

●まずは時価総額をアステラスに一時抜かれた勢いの無い武田。

LuAA21004 vortioxetine(TRINTELLIX) 大うつ病 P-Ⅲ

性感帯のような名前のボルチオキセチンですが、全然イッてくれません(申請に
米国販売は2014年1月であり、既に3年が経過しましたが日本ではまだ時間が
かかりそう。武田はそもそも精神科に弱いのであまり本腰入れてないのかも。
ルンドベックも素直に大塚に渡しておけばいいものを…。

●次は日本の大手先発メーカーで唯一ジェネリックに興味無いアステラス。

FK949E クエチアピン(セロクエル)徐放錠 双極うつ 申請中

こっちは2016年8月に申請されてますので、まともにいけば今年中には承認が
降りるのではないかと思います。アステラスは今や下半身薬メーカーのイメージ
ですが、旧藤沢スピリッツを奮起して欲しいですね。セロクエルの双極適応で
ようやく双極治療が世界に一歩追いつくところです。

●続いて特許失効によるエビリファイロスに怯える大塚。

OPC-34712 ブレクスピプラゾール(REXULTI) 統合失調症 申請中

エビリファイで時価総額3位まで成り上がっただけに、その特許失効ダメージは
他のメーカーの比ではありません。故にその姉妹分であるブレクスピプラゾール
は猛スピードで開発され、つい先日承認申請がなされました。なんとか日本で
エビリファイの特許が切れるまでに発売に漕ぎ着けたいところです。
ただ統合失調症にしか適応が無いと、当面は売上が期待出来なさそう。
以前ちょっと触れたアル中治療薬ナルメフェンは依然P-Ⅲ。

●バイオなんか手を出さねぇ!ウチは合成屋だ!と社長がカッコイイ塩野義。

S-877503 グアンファシン(INTUNIV) 小児ADHD 申請中

カッコイイ啖呵の割にはしょっちゅう自社販売品を他社に切り売りしている
チグハグな塩野義。ベンザリンもリスミーもベゲタミンも手放したのに
中枢領域はまだ開発中です。グアンファシンはもともと高血圧の薬だった
α2作動薬です。交感神経の過興奮を抑えるためADHDの衝動性に有効と
言われています。昨年1月に申請が挙がっており、通ればα2作動薬で日本初の
精神科適応を持つ薬になるため、個人的には最も期待している薬です。
承認が遅いのが少し気になるところ。
一部の人が待望しているリスデキサンフェタミンはいまだP-Ⅲです…。

●他社のAGを作る事も検討、と完全に下請け発言している弱気大日本住友。

SM-13496 ルラシドン(LATUDA) 統失/双極うつ P-Ⅲ

ボルチオ以上に全然開発が進まないラツーダ。米国ではそれなりの実績を
上げてるはずなのに、なんでこう日本では治験が失敗するのか。下手すると
中国の方が先に発売されるかも。統失ではロナセンと市場が被るので、
ロナセンの特許が切れるまでのんびり開発してるのでは?と邪推してます。

●人類を代表してBETA(アミロイド)と戦っている多国籍企業エーザイ。

E2006 lemborexant 不眠障害 P-Ⅲ

エーザイと言えば認知症・てんかん・ダイエット薬。大塚と互角以上に
豊富な中枢薬基盤を持ってます。アリセプトの栄光よもう一度。今のところ
日本でP-Ⅲまで進んでるのはレンボレキサントのみで、国産初のオレキシン
受容体阻害薬として期待がかかってます。フィコンパも双極に使えたらなぁ…

●シクレストのクソ苦さは製菓の技術でなんとかならないのか明治。

ME2112 ジプラシドン(GEODON) 統合失調症 P-Ⅲ

ジプラシドンはもともとファイザーの薬なのに何故か明治が開発中。おかげで
イフェクサーに続くタマが無いとファイザーが愚痴ってます。ファイザーから
独立したラクオリアはよっぽど古巣が嫌いなようで。明治はシクレストを
発売したばかりなのでこの開発も相当長引きそう。ラツーダとは構造式も
薬効も開発状況も似ていますが、双極適応がある分ラツーダの方が嬉しい。

●あらゆる分野に首を突っ込まないと気が済まないパイオニアリーダーMSD。

MK-8931 verubecestat アルツハイマー P-Ⅲ

初モノ大好きMSDなので、アルツハイマーに関してもBACE阻害剤という新薬を
開発中です。エーザイとガチに争ってる分野ですが、日本で先に発売する
可能性があるのはこっちか?アルツは不眠と比較にならない巨大な市場。
ベルソムラで負けたエーザイが、何とか巻き返してくれればいいのですが。

こうして見ると2017年に期待出来そうな精神科薬はセロクエル徐放錠と
レキサルティとインツニブくらいか。レキサルティとエビリファイの違いが
気になるところですね。あと早いところうつ適応取って欲しい。

精神科ジャンルは新薬開拓するより、しばらくは欧米で既に発売された薬を
日本に導入できるかどうかが発展の要となりそうです。
リリーもGSKも諦めずにがんばって欲しかったのだが…どうやらプロザックと
ウェルブトリンは絶望的なようで…(ノД`)
しかし日本のプラセボは本当に強いなぁ。プラセボを擬人化するか(錯乱

という感じで今年もよろしくお願いいたします。インフルは去年以上に
流行ってないので皆さんもいい年始スタートを切れたでしょうか。
では、祝日が土曜と被りまくりで地獄の2017年をがんばりましょう!
はぁ…連休明け…仕事行きたくねぇ…。
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by haya # by hayanoya | 2017-01-10 03:46 | 怠惰な日常 | Comments(14)
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「もしかして」 「俺たち発注量が」 「入れ替わってるー!?」
寒いと指が動かないのでスクフェスデレステが捗らないしブログ書こう。

とりあえず、精神科薬初のオーソライズド・ジェネリックが
地味に発売されていた件について。

オーソライズド・ジェネリック(AG)とは以前にもお伝えしたとおり、
「主成分・添加物・製造工程を含めて先発品と全く同じジェネリック」です。

最近話題になったオプジーボを例に取るまでもなく、高薬価の医薬品は
ダイレクトに日本の医療財政を逼迫します。なのでもう特許の切れた薬は
ガンガンジェネリックに変えてくれよ、と厚労省は叫んでいるのですが
昔のいいかげんな法規制で粗製濫造されたツケで、ジェネリックは今でも
あまり信用できない薬であると患者ばかりか医師までも主張してるのが現状です。

そこで特許切れによる収入源に喘ぐ先発品メーカーが提唱したのがAGです。
有効成分の特許が切れても製造方法は公開されないので、ジェネリックは
コカコーラの味だけ真似た別物のコーラだ、みたいな批判が度々起こるのですが
AGはペプシでもなくジョルトでもなくコカコーラのレシピ自体を他のメーカーが
(といっても系列会社ですが)作っているのです。

これはもう値段の安い先発品と言って差し支えないので、どこの医療機関でも
AGは採用されるに違いない!…と思いきや、AGがある薬のジェネリックにおける
AGのシェアは50%前後とそれほど多くありません。理由はその価格の高さです。

AGは先発メーカーにある程度のマージンを支払う必要があるせいで、おのずと
売価が高くなります。薬価制度があるので発売時の公的価格は他のジェネリック
と変わりませんが、そこからの実売価格は他のジェネリックの方がかなり安く、
必然的に購入側の薬価差益が大きくなります。特に院内調剤を行う医療機関や
大規模チェーン薬局は同じ薬を大量に購入する必要性から、少しでも薬価差益の
大きいジェネリックを採用したがります。ただこれは悪いことではありません。

薬価差益の大きい薬は次の薬価改正の時に実売価格に合わせるよう是正されて
いくので、安売りしたジェネリックは公的価格もどんどん安くなります。
AGを一躍有名にした武田の降圧剤ブロプレスAG、カンデサルタン「あすか」8mgの
薬価は70.1円。他のカンデサルタン8mgジェネリックは32.4円と、2倍以上の
開きが生まれています。先発品ブロプレス錠8mgの薬価は126.3円なので
「あすか」のモノでも十分安いのですが、血圧さえ下がれば先発品との同等性とか
どうでもいい、という患者であれば32.4円の薬の方がありがたいでしょう。

先発品・AG・その他のジェネリックと選べる薬局ならいいのですが、在庫と
予算の関係上、よほど大きな薬局でない限りジェネリックはひとつのメーカー
しか採用していないのが現実です。AGを処方して欲しい人は事前に薬局に
在庫があるか確認してみると良いでしょう。

…と、ここまでが前置き(長い)。AGは2013年から提唱されたモノなので
まだ10品目程度しか存在しません。この6月にジプレキサの特許が切れて
一斉にジェネリックが発売されましたが、AGは出てきませんでした。AGを
作るためには製造レシピを提供しなければならず、となると企業秘密を
さらして問題無い自社系列のジェネリック会社を用意する必要があります。
ジプレキサの販社はイーライ・リリーですが、リリーはジェネリック販売に
積極的ではないためAGを用意しなかったのです。

なら精神科初のAGはエビリファイかなぁと去年予想していたところ、想定外の
AGがいきなり今年9月に発売されました。とっくに特許が切れてジェネリックも
大量に出回ってるパキシル錠のAG、パロキセチン錠「アスペン」です。

パキシルを作ってるのはグラクソ・スミスクラインというイギリスの会社
ですが、アスペン社は南アフリカに本拠を置く世界的なジェネリックメーカー
です。グラクソとアスペンの提携は2003年より始まっており、最初はグラクソの
薬を南アフリカで販売提携しているにとどまっていました。しかし2008年に
免疫抑制剤イムランの知的所有権をグラクソから買い取り、本格的にグラクソ
との関係を強化していきます。2013年にはオーストラリアで特許の切れた
グラクソ医薬品25品目がアスペンに販売移管されました。翌2014年にはついに
アスペン日本支社が設立され、特許切れ医薬品の販売移管やAG販売を行う旨
グラクソより報道されています。グラクソはアスペンの株を12%保持しており、
アスペン日本支社設立のために株式の25%にあたる資金を出資したり取締役を
派遣するなど、完全に日本においてアスペンを系列会社扱いしております。

従って、今後アスペンが作るグラクソ医薬品のジェネリックは全てAGとして
発売されることになります。その第一段は抗ウィルス薬バルトレックスで、
バラシクロビル錠「アスペン」の名で7月に発売されました。パロキセチン錠の
発売は第二段に当たります。今後のラインナップとして頭痛薬イミグランや
抗生物質オーグメンチンのAGが予定されています。素晴らしいですね!

…素晴らしいのですが、バルトレックスにしてもパキシルにしてもイミグランに
しても、競合他社がとっくにジェネリックを発売しているのが問題です。
いったん採用となったジェネリックを他のメーカーに切り替えるのは、
採算性や卸選定、既存在庫との兼ね合い、患者告知など様々な点で非常に面倒です。
なので普通AGは他のメーカーに先駆けて発売するか、最悪でも同時発売という
体を取ります。売価が高いので価格競争では完全に負けてしまいますからね。

けどアスペンはヤバイ。そんなの気にしない。後出ししまくり。そして新興の
会社でMRもロクにいないので全然宣伝しない。売れなくても全然平気。
AGをジェネリックのまま扱ってる。凄い。ヤバイ。

…と思わずコピペってしまいました。グラクソの肝いりなので潰れることはない
でしょうし、今後の発展性もあるとは思うんですが、営業は全く見たこと無いし
こちらが卸に問いかけるまで一切情報が入ってこない始末。現時点での売上高は
そうとう低いのでは無いでしょうか。売れるか売れないかは別にしても
AG会社としてもっとやる気を出してほしいものです。

そしてそのパロキセチンにしても、今日本で一番求められているパキシルCRの
ジェネリックは発売しないという半端っぷり。パキシルのノーマル錠には
ジェネリックが存在するので、パキシルCRは後発品のある先発品と見なされ、
使えば使うほど薬局におけるジェネリック算定率が低下して厚労省から怒られる
のです。理不尽だ!アスペンがAGを発表したときはついにCR錠にジェネが!と
期待したものですが、実際に出たのは5・10・20mgのノーマル錠だけで、
ずいぶんテンションが落ちたのでブログに取り上げるのが遅れたのです(言い訳

とはいえ、実際のパロキセチン錠「アスペン」は写真で見る限り全くパキシルと
同じ色調、形状をしています。PTPも色違いなだけで大きさやレイアウトは
そっくりだし、錠剤の刻印すら片面は同じものを使っています。精神科薬は
降圧剤や抗ウィルス薬以上に心理的なバイアスが効果に影響してきますので、
今までジェネリックに消極的だった人にも処方しやすいのではないでしょうか。
発売が出遅れたおかげで十分に薬価も安くなっており、AGなのに他社の一部
ジェネリックよりも安かったりします。新規でジェネリックを採用するなら
即決!他社から切り替えるなら…薬局で応相談ということで(汗
f0133373_19465009.jpg
f0133373_19523061.jpg



f0133373_19533475.jpgさて、精神科初のAGが出たし記念に擬人化するか。
ジェネリックは男キャラ、というルールなので男性で。
でも元はぱきるなので性転換で(え

という事でぱきるのTSキャラ、ぱろ輝くんです。
一度限りのネタキャラで今後出てくるかどうか怪しい。
ジェネリックなので服装はシンプル。
上半身は5mgの、下半身は20mgのPTPから。
ブレザーなのはぱきるの制服に合わせて。
ネクタイでなくループタイ…の、つもり。
南ア出身なので多少浅黒い。





せっかくなので今さら君の名は。コラを作ってみた(タイトル回収
君の前前前年から僕は他社を採用してる件。

「私の顔で先発ヅラして安売りしないで!」
「販売縮小するからって勝手にうつ病啓発冊子の配布やめんなよ!」

「あのゾロ薬は~!」
「あの特許切れは~!」


君の一般名は。(同成分です
f0133373_19541770.jpg
背景はコラ用にネットで流れてたのを拾ってきました。
モリサワA1明朝とMangalフォントを使ってます。
同一キャラのTSCPモノって同人界でどれくらいのニーズなんだろう。

個人的に新海監督で一番好きな作品は「雲のむこう、約束の場所」です。





ところで、最近久しぶりに絵師の方からうちの子描いていただきましたので
ご本人(ぞーや様)に許可をいただいてこの場で公開させて頂きます!ドヤ!
f0133373_19550077.png
もー滅茶苦茶かわいい!毬なんか色気出てますよ!みくに腕つかまれたい!
えび華の前髪処理ってこう描けばよかったんだ!
他人に描いてもらって髪型とかの描き方を学ぶダメ擬人化屋がここにおります。

上手いのはもちろんですが、特筆すべきはその速筆ぶり。
イラリク(逆だろ)されて返事してから完成までわずか1日という
驚異的なスピードでここまでの絵を作って頂きました。こっちは月一回ですら
ブログ更新出来ないのに!もう全部ぞーやさんに描いてもらえ俺。

手書きブログというお絵かき投稿サイトで活躍されてるご様子。膨大な過去作を
見るにつけ、ああやっぱり描きまくらないと速くはならんなぁと猛省する次第。
年内…年内までにもう一本記事描ける体を…来年から作っていこう(駄目すぎ


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by haya # by hayanoya | 2016-12-04 20:49 | クスリあれこれ | Comments(17)
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マルそうでマルくない 少しマルいデパス
HoI4からのヴェスタリアサーガコンボでSLG漬けになってて気づけば10月。
なんかTシャツ一枚だと寒いなーと思ってました。季節過ぎるのホント早いわー。
秋アニメは夏と違って豊作ね。まほいくとかガーリッシュとかユーフォ2とか
WIXOSSとか雰囲気がギスギスしてるアニメばかりで俺的には大好物です。

今年はマル向業界にとってネガティブなニュースばかりで正直テンションも
上がらないのですが、さすがにこれは取り上げなければなりますまい。

デパス・アモバン両選手、遅ればせながら向精神薬3種に指名!

今さらすぎるにもほどがありますね。1990年に改正麻薬・向精神薬取締法が
成立して以来実に26年、野放しにされ続け処方拡大の一途をたどったデパス様に
とうとう法の網がかけれられました。長い間先輩薬剤師たちを悩ませ続けてきた
「なんでデパスはマル向じゃないんですか?」という後輩の質問にようやく
ケリがつけられることになり喜ばしい限りですね。

つか、マル向って何?という方のために少しおさらいしておきましょう。

精神状態に影響を及ぼすおそれのある薬、これを向精神薬と呼びます。

よく抗精神病薬と混同されますが、抗精神病薬は統合失調症に使われる一部の
薬のみに使われる用語です。それに対し、向精神薬は精神状態に影響を及ぼす
全ての薬を指します。従って、睡眠薬も抗うつ薬も抗精神病薬も広義では
向精神薬扱いです。

しかしその向精神薬の中でも短時間で気分を落ち着けたり、逆に上げたりする
薬はその作用の劇的さから乱用される可能性があり、管理や投与日数に制限が
かけられることになりました。これが90年に改定された麻薬・向精神薬取締法。

かつての日本では睡眠薬類に対する意識はおおらかで、「習慣性があるから気を
つけなよー」という程度の扱いだったのですが、WHOでは70年代に既に
「向精神薬に関する条約」なるものが成立しており、欧米で問題視されていた
ベンゾジアゼピン乱用を国際的に規制物質として取り締まる動きがありました。
日本はこれを1990年にようやく批准し、他国と足並みを揃えることになります。

このため日本で発売されている向精神薬のうち睡眠薬・抗不安薬・精神賦活剤などは
軒並み取り締まりリストに追加されました。取り締まりを受けた薬剤は
向の字をマルで囲った記号をパッケージに刻印されます。いわゆるマル向です。
マル向に指定された薬剤は他の医薬品と異なる鍵のついた場所で保管され、
伝票などもより長期間保存する必要があります。また最大の特徴として
医師が一度に処方できる最大処方日数が制限されます。

平成14(2002)年の改正ではマル向の基本処方日数制限は14日で、一部例外的に
抗てんかん薬が90日分、多くの抗不安薬・精神刺激薬が30日分までとされて
いました。ところがメンタルクリニックは増加し患者も増える一方、不眠症の
患者が服薬しながら就労するのも当たり前になってくるとさすがに睡眠薬の
14日縛りは不便です。そこで多くの睡眠薬の処方制限は平成20(2008)年に
抗不安薬と同じ30日分となったのです。

処方医と薬局にとっては他の薬と同じ日数だけ出せるようになって仕事が楽に
なりましたが、これが欧米と同じくベンゾジアゼピンの乱用を招き、結果として
エリミンやベゲタミンの製造中止に至ったのではと考えると少し皮肉です。
まあ14日時代でも倍量処方は横行していたので制限を続けていてもあまり
変わっていなかったかもしれませんが。

多くのマル向達が日数制限の枷をはめられてた状態で、デパス(とアモバン)は
マル向の指定リストから外れており、普通に100日分とかの処方が可能でした。
抗不安薬の中でも強力で、依存性もある短時間型のデパスがマル向指定から
外れていた理由はいまだにはっきりとしませんが、WHOにおける国際的な
規制物質のカテゴリー内にエチゾラム(とゾピクロン)が記載されていなかった
のが主な要因と考えられます。デパスはほとんど日本でしか流通していない
薬なのです。90年成立の向精神薬取締法は国際情勢の要求によって作られた
法律のため、日本の実情をあまり盛り込んでいません。国際規制物質リストに
無くとも自国で独自に指定することも出来たはずですが、その後長い間
リストが改正されないまま放置されたのは、あるいは安価なベンゾジを過剰に叩いて
高価なSSRIを売りつける精神科メーカーの宣伝に乗せられている欧米諸国に
押しつけられた規制物質法を忌避する気持ちがあったのかもしれません。

ともあれ、デパスがマル向に指定されることで現実的に何か変わるでしょうか?

大方の関係者の予想通り、デパス・アモバンともに投与日数制限は30日までと
制定されました。最近のレセプト調査によれば、どちらの薬も院外処方の
平均日数は27日前後だったとの事です。約1割の患者が30日を超過した日数を
処方されており、その方々には不便をかけるかと思いますが9割方の患者には
影響がなさそうに思います。向精神薬加算がつくことで多少薬代は変動するかと
思いますが、20~30円程度の変化なので大きな問題にはならないかと思います。
と言うことで、普通に処方されてる人には特に意識する必要はなさそうですね。

ちなみに、厚労省が先日発表した第一回NDBオープンデータによれば、日本で
昨年度一番処方された向精神薬はデパス錠0.5mgです。入院・院内・院外処方を
含めれば、その数実に8億錠近く。デパスの1mgやジェネリックも含めた数字だと
12億錠以上となります。抗不安薬2位のソラナックス群が4億錠ほどなので実に
3倍近くの圧倒的シェアを誇り、院外処方薬の総合でも10位に入る「国民薬」と
なっております。マル向に指定されることで多少シェアは落ちるかと思いますが、
それでも向精神薬部門不動の一位は譲らないのではないでしょうか。
(このNDBオープンデータは非常に興味深い内容なので、ランキング大好きな
方々は一読してみると面白いと思います。これがタダで見れるのは厚労省の
数少ないグッジョブと褒めておきたい)

このシェアのせいで大概の薬局ではデパスまたはエチゾラムジェネリックを
500~1000錠単位の大箱で購入しております。今回の指定によりこれを鍵付きの
場所に保管しなくてはならなくなり、引き出しスペースがねーよ!と嘆く
管理薬剤師もいるのではないかと思います。ほらここにも一人。
薬局什器販売業者にとってはビジネスチャンスかもよ?

ただ一番影響が出るのは、おそらくエチゾラムの個人輸入関連でしょうね。
海外で発売されている医薬品は個人輸入という形で処方せん無しで自費購入する
ことが出来ますが、マル向に指定されるとこれが一切出来なくなります。既に
ほとんどの輸入サイトでは取り扱い禁止になっているかと思います。今回の
規制ではエチゾラム(デパス)とゾピクロン(アモバン)の他、フェナゼパムと
いう名のレキソタンに似た構造を持つベンゾジアゼピンも指定されています。
フェナゼパムは旧共産圏で70年代に発売された抗不安薬であり、日本では
発売されていませんが、これも個人輸入サイトでは常連薬だったようです。
今回の規制はベンゾジアゼピンの個人輸入を撲滅するのが主目的だったのでは
ないかと私は邪推しております。

まぁともかくこれで、長い間矛盾が生じていたデパス何者問題にはひとつの
決着がつきました。相変わらずリスミーとかレスタスにはなんの処置も執られて
ませんが、効果が弱かったり処方量が少なかったりで問題にはならないでしょう。
記念絵を描いておきました。おめでとうでぱ子!
何も考えずに配役したら4人中3人が前髪ぱっつんキャラになってしまった。
f0133373_02113873.jpg
…あも姐さんはすでにるね☆さんとして私マル向じゃないですわよ宣言をして
おります。見苦しい!

今回ゾピクロン(アモバン)は規制されましたがエスゾピクロン(ルネスタ)は
規制されてないんですよ。なのでルネスタは普通に30日を超えて投与可能です。
これもおそらく外国がらみで、米国規制物質法にエスゾピクロンが指定されて
ないからという理由ではなかろうかと思いますが、ポスト大塚を狙ってる
エーザイが厚労省にネゴったのでは?とも考えられます。実際これを受けて、
エーザイMRの内科・精神科へのルネスタ売り込みに拍車がかかっているようです。
新時代睡眠薬はロゼレム・ルネスタ・ベルソムラ!あぁまた新たな矛盾が。
後輩薬剤師達は「なんでルネスタはマル向じゃないんですか?」と先輩を
いびる時代になりそうです。

あ、あとデパスとアモバンに投与日数制限がつくのは11/1からです。従って
10月末までは両者ともマル向なのに日数制限が無いという不思議な存在と
なります。10/14~10/31まで、この微妙にマルいデパスを眺めて日本の
向精神薬問題に思いをはせる秋もよいかもしれませんね。
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by haya # by hayanoya | 2016-10-23 02:18 | ちびまる向ちゃんトピ | Comments(20)
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