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向精神薬擬人化その33:アモキサン
春アニメは良作が多すぎて制作がはかどらん!
あの花、いろは、シュタゲ、日常、虎兎、電波女etc…。
まどかしか見てなかった冬とはえらい違いだ。
有り難いんだけどちょっとでも見逃すとノルマが雪だるま式。
まるで公文だよ!まさに苦悶だ!(つまらん

未開封のヴァルキュリア3に手を付けるのは、どうやら夏コミ本の
〆切後になりそうだぜ!
…とか言ってたら夏コミに落選するというオチが待ってそう(汗

あーでも、なんか〆切までにレクサプロ出なさそうだし
夏落ちるならそれもいっかーとか考えている自虐気分。

という精神状態で作ったので、せっかくアッパー系抗うつ薬という
役どころなアモキサンが、妙にアンニュイな地雷系キャラクターに
なってしまいました。全国のアモキサナーに土下座しますm(_ _)m

向精神薬擬人化その33:アモキサン_f0133373_1142652.jpg一般名はアモキサピン。
規格は10/25/50mg。
愛称は「きさ」。

名前だけはかなり前から決まっており、
配色もサーモンピンク+ベージュの
カプセル色と、黄色+白のワイスカラーを
組み合わせるという形で、容易に決定して
おります。難儀したのはその性格。
現役最優秀とも言われる性能を表現するのに
相応しい性格かどうか、今もかなり疑問です。

ポップでキュートな外観および、類薬に比較すると異常な即効性で、
抗うつ薬分野ではおそらく日本一の人気を誇るアモキサン。擬人化絵も
多く、お色気系やアッパー娘など様々な傑作がWEBに現れております。
完全に出遅れた私が擬人化にあたって指針にしたのは、3年前に自ブログで
書いたうさぬさんに対する自分自身のレスコメント。

Commented by hayanoya at 2008-01-08 23:27
アモキサンは、名前を付けるとすれば「きさ」ですかね。
セロトニンにアドレナリンにドパミンにこまごまと、しかも仕事の速い
世話焼き女房タイプ。依存されると輝き、「この人は私がいないと
ダメだから…」系の台詞を嬉しそうにつぶやくとかどうでしょう。
まちを生涯の友人と思いこんでいたが、彼女はあっさりとAクラスに移籍
してしまい、周囲が気の毒になるほどへこんでいる。


…Fuck!なんでこの時もっと人気の出そうな設定で書いておかなかったのよ
俺のばかばか!と思っても後の祭り。アモキサンに対するイメージはこれで
固まって頭から離れず、結局こんなザマでございます。仕事が速いという
なら、多分動きやすい格好なんだろうと言うことでショーパン+レギンス。
へこんでるなら泣き腫らしているはずと、目も充血させてみました。

左手に持っているのはカプセル型のスポーツバッグ。まちが持ってるのと
おそろいのデザイン(メーカーは違うが)。右手に持ってるのは「オッカムの
剃刀」。彼女自身の思考の鋭さと魔法の切れ味を賞賛され、Dクラス就任時に
学長よりプレゼントされた名誉の品。しかし彼女はこれを使い、「まち命」
と手首に刻み込んでいるとかいないとか噂されている。

ファイザー=ワイス家に属するが、旧レダリー家の出自なのでわっくすや
えばとの血縁は無い。頭にレダリーマークを載せることでそれをアピール
している。この髪飾りもまちのコスチュームに合わせて配置されている。

かつてレダリー家は、米国でロクシーという名の少女をデビューさせようと
したが、あまり個性の無さそうな子であると認識され、ほとんど顔が
売れないままに終わってしまった。ロクシーの妹のきさも米国デビューし、
姉同様の末路を辿ってしまう。しかしそもそも繊細な性格のきさは、大味な
米国文化があまり好きではなく、本来の実力を発揮できないでいた。
レダリーパパの親友の武田おじさんと話し込んだ結果、試しに日本の学園へ
編入してみてはどうか、という話になる。

米国ではパッとしなかった成績のきさだが、日本ではたちまち頭角を現し、
抗うつ魔法でずば抜けた実力を示す。学長達はこの結果に大いに満足し、
彼女を中心とした新しいクラスを創設するべき、という意見が学内に
広がった。それは現在Cクラスに分類されている抗うつ妖精達を新しい
カテゴリに分類しようとするもので、愛たちSSRIの来日よりも以前から
Dクラスを作ろうとする動きは既にあったのである。

ところが、当時SクラスからCクラスに移籍して来たまちとの出会いが、
彼女と学園の運命を大きく狂わせることになる。

多彩に変幻する魔法を使い、きさとは別の意味で評価されていた異端の
天才少女・まちに、正当派の天才であるきさが心惹かれるのは自然の道理で
あった。自由闊達なまちと臆病で執着質なきさ。自らが決して持てない
性格をまちに見出したきさは、次第に周囲を顧みず、まちとの同棲生活に
耽溺していったのである。

当然きさの成績は下がり始め、彼女の才能を絶賛していた学長も次第に
かばいきれなくなる。きさを中心としたクラスの創設は白紙撤回となり、
彼女は学園を導くリーディングドラッグとしての存在から、学園の問題児
としての扱いへと一気に格下げられてしまった。

その後、愛の来日を始まりとするSSRIムーブメントの興隆により、一度は
頓挫したDクラス創設の必要性が再び説かれるようになった。今度はぱきる
というメンタルの安定した優等生を中心人物として招聘出来たため、波乱
続きであったDクラス運営はひとまず安定軌道に乗ったのである。

しかしきさとまちの問題は、依然としてDクラスを破綻させかねないほどの
爆弾であった。学長はこれを解決するため、「まちの魔法力は総合的に見て
抗不安効果としての運用が妥当であると判断する」という辞令を下し、
まちをAクラスに転籍させ、二人を強引に引き裂くという手段に出た。
きさの悲しみは発狂せんばかりだったが、一方のまちはきさに対して正直
ウンザリしていたので、割とこの転籍に乗り気だったようである。

きさのへこみ状態は今なお続いており、入園当初の煌めきは望むべくも無い。
しかし、落ち込んだ状態でもなお図抜けた観察眼と魔法力は健在であり、
時折ぱきるやれめるでも敵わない神がかった才気の片鱗を見せる。
学長は今でも彼女をDクラスの中心に据えたい気持ちを残しており、
その未練がぱきるをたまに苛立たせている様子。

総合的な魔法の放出量ではぱきるに及ばず、理論的な魔法力の行使において
れめるに及ばないが、きさは対象の欠失を優れた洞察力で見抜き、それを
最短の手順で補填する術に長けている。姉のロクシーとは全く異なる人生を
歩んだが、その血統が彼女を独特にして天才的な三環系に育てたと言える。

まちと同棲していた頃から家事一切は彼女が行っており、特に料理の腕は
絶品。良妻となれる素質は十分に持っているが、彼女自身の鋭敏な感性と
他者に対する盲目的な依存度の高さがそれを妨げている。

結論。パキシルがツンデレなら、アモキサンはヤンデレだ!(今日の一言)



アモキサンは一見すると古典的な三環系に見えますが、よくみると中央の
環の構成に窒素と酸素が含まれており、炭素だけで構成されている
アミトリプチリンや、窒素が一つ含まれるイミプラミンとは異なります。
強いて言うならジベンゾキサゼピン系ですが、この系に含まれる薬は
アモキサピン、および抗精神病薬のロキサピンしか存在しません。
抗うつ薬として特殊な効果を示すアモキサンは、構造からして異端なのです。
なお、独立したもう一つの環を数え、四環系として扱っている文献も
多く存在します。アモキサンとルジオミールが活躍した時期を考えれば、
こちらの区分の方が妥当と言えるかも知れません。

アモキサンの姉に当たるロキサピンは1967年、アメリカン・サイアナミッド
社のレダリー研究所にて合成されました。これには抗精神病作用が見出され、
後年実際に抗精神病薬として米国で発売されます。またロキサピンには
体内で分解される過程で、メチル基が一つ外れた活性代謝物が生まれる事が
知られており、これはアモキサピンと名付けられました。その後の研究で、
アモキサピンはロキサピンよりもノルアドレナリン再取り込み阻害作用が
強く、抗うつ薬として転用できる可能性を秘めている事が発見されました。

アメリカン・サイアナミッド社の日本法人である日本レダリー社において、
これらの日本販売も検討されます。しかし予算の限られた日本レダリー社で
ロキサピンとアモキサピンを同時に開発できる体力はありません。社内で
検討した結果、今後は抗精神病薬よりも抗うつ薬の時代が来るとの読みで
アモキサピンが選択されました。この経緯により、ロキサピンは今もなお
日本で発売されていません。

アモキサピンは日本にて1970年に前臨床試験が開始、81年よりアモキサンの
名で無事発売されました。当時のメーカーは日本レダリーでしたが、親会社
のアメリカン・サイアナミッド社がアメリカンホームプロダクツ社に買収
された影響で、日本レダリーは日本ワイス社と合併し、1998年に日本ワイス
レダリー、2003年にワイス株式会社と名を変え、更に2010年ファイザーに
吸収されます。レダリーの名はアモキサンの箱に微塵にも残っていませんが、
カプセルに刻印された「LL」のマークが、辛うじて「Lederle Labo.」の
面影を残しています。固形製剤は全てカプセルで、10mgが赤一色、25mgが
赤と白、50mgが白一色という非常に分かりやすい外見をしています。

アモキサンの薬理作用は特殊で、三環系抗うつ薬とSDAを合わせたような
プロフィールを持ちます。トランスポーターへの結合力はセロトニンより
ノルアドレナリンに強く、受容体への結合力はドパミンD2よりセロトニン
5-HT2Aの方が遙かに強いです。D2受容体への結合強度はゆるく、Kd値で
言えば5-HT2A:0.6、D2:160となります。

実の所アモキサピンの、欧米での評価はあまり芳しくありません。これは
元々アモキサピンが抗精神病薬ロキサピンの派生物であるための影響で
D2受容体阻害能を持っており、高用量で錐体外路症状を発現しやすくなる
為です。これはロキサピンも同様です。200~300mg、時には600mgも使う
欧米流の用量において、アモキサピンやロキサピンはただの出来の悪い
古典的抗精神病薬でしかありません。

しかし、低用量使用が主体の日本において、アモキサピンはその実力を
遺憾なく発揮します。25mg~100mg/dayの用量においてはD2阻害よりも
5-HT2A阻害作用が強く現れ、トランスポーター阻害作用と相まって
強力な賦活作用を発揮します。またトレドミンの項で触れたとおり、
トランスポーターの阻害力がセロトニン<ノルアドレナリンである薬は
その逆よりも効果発現が非常に早くなります。結合強度がトレドミンより
文字通り桁違いに強いアモキサピンが、抗うつ薬で最も即効性かつ
アッパー系と呼ばれるのは、ちゃんと理由があってのことなのです。

アモキサンの図抜けた即効性は、臨床試験開始当時から注目されており、
イミプラミンとの二重盲検比較試験にて、1週目から有意差をつけるという
記録を叩き出しました。治験を行った大学の一つである北里大学はすっかり
この薬に魅了されてしまい、北里大の抗うつ薬はアモキサンの処方率が
圧倒的な数字になったと言われています。アモキサンとルジオミールの
二強時代、関東ではアモキサンのシェアが高かったと言われていますが、
これには北里大学の影響が少なからずあるものと思われます。

低用量下で体内挙動が変わる薬としてもう一つ有名なのがドグマチール
です。アモキサンとドグマチールは、日本で絶賛されながら欧米であまり
使われない薬の両巨頭であり、欧米の処方が伝統的に低用量処方をやろうと
していない、マッチョなものであることが伺えます。精神科は海外より
10年遅れていると言われる日本ですが、この点だけに関して言えば、繊細な
日本の精神医療の方が優れていると思います。

ドグマチールとの共通点をもう一つ挙げるなら、食欲増進効果が強い事です。
D2受容体に対するゆるい結合を考えると、恐らくは低用量でドパミン自己
受容体に対して阻害作用を持ち、結果としてドパミン系を賦活させる効果、
つまりはドグマチールと同じような作用があることが推測されます。
擬人化でまちとの絡みを考えたのは、あながち間違いでは無かったかも(汗

非定型の抗精神病薬は概してこのD2受容体への結合力が弱く、同様に食欲を
増進させる効果を持っています。この点を見てもアモキサピンがSDA的で
あると言えるでしょう。抗コリン作用やα1阻害作用も三環系に較べれば
弱く、眠気の強いデジレル等に較べると遙かに使いやすい四環系です。
不安妄想の強いうつには第一選択であるし、そうでなくともSSRIやSNRIに
並び、時には凌駕する、有用な抗うつ薬であると思います。薬価は50mgで
24.6円で、最大150mg/day処方すると考えても、昨今の抗うつ薬よりは
抜群にリーズナブルです。コストパフォーマンスは全ての抗うつ薬の中でも
最も優れているのでは無いでしょうか。

…と、べた褒めばかりだと「じゃぁSSRIとか要らなくね?」という結論に
なってしまいそうなので、弱点も書いておきます。賦活効果が強いため、
当然ながら躁転しそうな双極性障害に対しては慎重に使う必要があります。
医師によっては躁転するギリギリの所で中断させ、他薬に切り替えるという
曲芸のような使い方をする事もあります。何にせよ漫然と投与し続けるには
不向きな薬と言えそうです。

また副作用や耐性の面からも、アモキサンは長期投与に向かない薬です。
切れ味の鋭い即効性の薬によくある話で、アモキサンは比較的耐性が
出来やすい薬と言われています。これは半減期が8時間という、抗うつ薬でも
屈指の短さである事と無関係では無いと思います。またアモキサピンは
体内で7-ヒドロキシ、あるいは8-ヒドロキシアモキサピンに変化して排泄
されますが、この7-ヒドロキシアモキサピンは通常のアモキサピンよりも
強いD2阻害作用を持つと言われています。

服用当初は大して問題にはなりませんが、継続服用するうちに7-ヒドロキシ
アモキサピンが蓄積し、やがて錐体外路症状を発現する可能性があります。
アモキサンの連用で静坐不能(アカシジア)的副作用が出たことを、「頭の
中で花火が上がっている感覚で目が覚め、眠れなくなる」と表現している本も
あります。もちろん体からアモキサピンが排泄しきればこの副作用は
消えますが、人によっては抗うつ薬服用であるにも関わらずアキネトン等の
抗パーキンソン病薬が必要になることもあるでしょう。

またD2受容体への結合力が高まると言うことは、抗精神病薬と同様の効果が
出てくると言うことであり、服用初期の賦活効果が無くなって逆に鎮静的に
作用する可能性が出てきます。こうなると賦活を持つというアモキサンの
持ち味が薄れてしまい、服用を続ける意味が無くなってしまいます。

アモキサンは割と効果が確認でき易く、そういう意味では医師から患者まで
幅広く人気のある薬です。第一選択として多くの場合有効でしょう。しかし
抗うつ薬は基本的にベンゾジアゼピンとは異なり、長期服用が前提となる
薬です。多くの副作用が慢性投与によって消失していくSSRIに較べると、
副作用の増えるリスクがあるアモキサンは、切れ味のいいフォークを持って
いるけどちょっと完投を任せづらい先発ピッチャーと言えるかも知れません。

甲斐甲斐しくこまごまと世話を焼いてくれ、色々と気の利く彼女。でも
だんだんとその愛情は狂気に変わってゆき、携帯のチェック、シャンプーの
チェック、果ては職場にまで付いて来ようとする。メールは1日数十通、
食事に得体の知れないモノが混ざり、カバンの中には盗聴器…。
「ヤンデレに死ぬほど愛されてアカシジア」というキャラで統一して
みましたがどうでしょうか。意外とアリだと思った俺は病んでるのかも。
by haya by hayanoya | 2011-05-02 01:22 | ちびまる向ちゃんトピ
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