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向精神薬擬人化その40:エビリファイ
ゴールデンウィーク中に非定型三人アップしようと思ってたけど、最後の一人が
えらいこと遅れてしまった…仕事が始まるとやっぱりペースが乱れるのう。
DoCoMo夏モデルが発表されちまったぜ。そろそろ動画再生用途でArcたんから
隼にモデルチェンジしようかと思ったけど、Qloud Media Serverが予想以上に
快適なので、XperiaからクアッドコアがでるまでArcたんでいいやと思ってまつ。

と言うことで三人目は大方の予想通りエビリファイです。国産バンザイ!
エビリファイは個性ある薬だし、何より非常に数少ない世界的ジャポネーゼ
なので、もっと擬人化が増えるべきだと個人的に思います。
f0133373_2263212.jpg
一般名アリピプラゾール。
発売は大塚製薬。
規格は3/6/12と24mg(ODのみ)。
あと液剤とODと散。マジ勘弁。
愛称は「えび華」。
本名はアビカなのだが何やら政治的な
理由でえび華にされた。
エビの擬人化だと思われている。
おかげでエビが大嫌い。

エビリファイのパンフレットにはどでかいAの文字と一本道の道路が描いてあり、
治療の到達点までA(Abilify)で一直線、とかいう意味をこめてる物と思います。
それに大塚といえば陸上競技部。これはもう陸上女子にするしかない!(強引)

最近のユニフォームはもう少し空気抵抗が少ないんじゃないかと思いますが、
俺の画力だと水着に見えるのでこれくらいで。むしろバスケ選手っぽいな。
陸上女子は髪をくくってるもんなんだ!と神様が仰るのでローポニーで。
カラーリングはエビリファイの象徴、山吹色+空色ストライプ。でも髪の色は
日本人なので黒一色です。ポカリを持たせるべきなのですが、やはり医療用
医薬品としてはOS-1を持ってもらわねば。ポカリはシューズにして履かせてます。

徳島県徳島市生まれ。幼少の頃より阿波踊りを子守歌として育ち、
徳島ヴォルティスの試合をラジオで聴きながら今切川沿岸を走っていた。
好物は金ちゃんヌードルのすだちがけ。うどんを食う奴は敵だと教えられている。
ジャストスイーツを嗜みとして三四郎も花子も五郎も一通り扱うことが出来、
最近はufotable cafeでくつろいでいる姿をよく見かける…
ってこれでは徳島県の擬人化だw

徳島を牛耳る大塚一家の愛娘。大塚一家は老舗である福岡吉富組や大阪藤沢会が
一流の娘達を擁しながらも世界に打って出ることなく、国内で安穏として
いることに強い危機感を抱いていた。このままでは外資系のインテリマフィアに
国内シノギを牛耳られてしまうと考えた大塚会長は、生まれたてのえび華に
こう伝えた――「D2を獲れ」、と。その日から、えび華のスパルタ教育が始まった。
D2受容体をゴールと定め、シナプスに辿り着くと同時に競合する全ての妖精を
蹴散らして占位する。その脚力も、当たり負けしない強靱な魔力も、飽くなき
ハングリー精神も、全ては会長によって仕込まれた物である。

国内の秘密特訓ですっかり自信を身につけたえび華は、D・Eクラス増設による
急ピッチな学舎の増築と法整備というゴタゴタのせいで登録に手間取る学園を
尻目に、海外でいきなり名を挙げた。D2という聖域の守護者にして調律者、
定型も非定型も、内在性ドパミンの侵襲すらもはね返すサムライガール。
D2を蹂躙するでも軽視するでもなく、独占化するという独特の哲学と魔法力は、
新世代を冠するに相応しいと多くの国が賞賛し、大塚一家は悲願通り、世界の
オーツカとしてその名を知られるようになったのである。

学園登録は遅れに遅れていたが、それでも近年のペースと比較すれば非常に
スムーズに行われた。米国デビューから数年後、えび華は晴れてSクラス
特待生として故郷に凱旋する。かつて国内で生まれたSクラス生は多かれど、
えび華ほど華々しい活躍をした者は他になく、じぷりーとけせらの跳梁を
押さえられる存在として、学園側のえび華に期する想いは非常に強かった。
ところが、D2受容体に対して異常な思い入れを発揮するえび華の本能は
むしろ旧来のSクラス生達から疎ましがられ、じぷりーとけせらには逆に
気に入られてしまうと言う皮肉な状況になってしまった。

じぷりーとけせらは結局Sクラスの人間関係を散々に乱したまま突如Es
クラスを称し、Sクラスから独立することを宣言する。D2に対して醒めた
態度を取る二人に対してえび華は全く好意的ではなかったが、自分の存在も
クラス崩壊の手助けをしてしまったことに強い責任を感じていた。Eクラスを
Sクラスの二の舞にしてはならないと考えたえび華は、半ばけせらの口車に
乗る形でEsクラス入りを決意する。かくして未曾有のポテンシャルを持つ
三人の非定型妖精はいずれも、文字通り規格外扱いを受けるようになるのである。

性格は真面目でストイック。責任感は強いが広い視野に欠ける。あまり体力が
ある方ではなく、ふと気がつくと疲労困憊で地面に倒れていたりする。かなり
精神論的思考を持っており、努力すれば不可能な事など無いと思っている。
嫌いな言葉は「無理」「出来ない」。ワ○ミの社長が喜ぶタイプ。この性格のせいで
周囲との軋轢も多い。しかし友人は大切にする方で、一度うち解けた妖精とは
強固な信頼関係を築くことが出来る。実は本人が自負しているほどにその実力は
学園で評価されているわけでは無く(汗)、どちらかと言えばこの信頼強化による
他の妖精達の魔力ブースト能力こそが彼女の本質と見なされている。



「もっとも恐るべき非定型とは何か わかるかねジプレキサ」
「………エビリファイ」
「そうだその通りだよ 我らが宿敵エビリファイだよジプレキサ
 ではなぜエビリファイはそれほどまでに恐ろしい?
 エビリファイは弱点だらけだ
 静穏性に弱い 持続性に弱い アカシジアや嘔吐が身を焼く
 α1・α2・H1・M1を遮れず 双極鬱に目をそむけ 幻聴悪化に耳をそむけ
 ほとんどの医師はまともに使えず SGAの根拠は唯一ツ バカ高い薬価だけ
 それでもエビリファイは無敵の非定型(アタイピカル)と呼ばれる
 ジプレキサ 何故だかわかるかな」
「…………5-HT1Aや2Aを操る事?」
「それは決定的ではない」
「パテント的にあと数年は死なない事?」
「少々役不足だ 倒す新薬(パイプライン)は我々に限らん」
「アドヒアランスを騙り いくらでも規格と剤型を増やす?」
「それは確かに恐るべきことだ だがそれは我々も行っている
 もっともっともっともっと単純なことだ」

「…………力価が強い?」

「そうだ エビリファイはとっても強欲なのだよ ジプレキサ
 プレシナプス部分刺激 固有活性の減弱化 皮質ドパミン調整
 性欲堅持 体重減少 認知の向上 etc. etc.
 しかし最も恐るべきはその純粋なD2結合力………『力』だ
 他のD2遮断薬達を受容体から軽々とフルアンタゴニストの様に弾き飛ばす
 そしてたちの悪いことに大塚製薬はその力を自覚している
 ベンチャーのまぐれ当たりとしてでなく 大手企業の手法(メソッド)を持って
 ネクストジェネレーションと喧伝する『ビッグファーマ』だ
 エビリファイとの直接併用は抗精神病薬としての死を意味する
 いいかねジプレキサ エビリファイとは知性ある
 D2を支配する『スタビライザー』なのだ これを最悪といわず何をいうのか」


…30秒で分かるエビリファイコピペ。しかしこれ誰と誰の会話なんだ(汗

日本で合成された薬は数多く存在しますが、世界的に名が知られるほど売れて
いるのはごく一部ではないでしょうか。それも向精神薬分野に限れば、もはや
二つしか存在しません。一つはアリセプト、もう一つがこのエビリファイです。
ちなみにAbility(能力)をfy(開花させる)というネーミングなので、アビリファイ
という名前の方が相応しいのですが、日本にはアビリットというスルピリド製剤が
存在するために無理やりエビリファイという名前に変えられたようです。

エビリファイは現在世界の抗精神病薬カテゴリでトップクラスの売り上げを叩き
出しており、中枢系分野において無名だった大塚製薬をこれ一剤で業界3位に
押し上げています。アリセプトは全く治療薬が無かったアルツハイマーに対する
薬なので爆発的に売れたのは理解できますが、世界中に競合薬が数多ひしめく
抗精神病薬ジャンルで、それでもエビリファイが売れたのはどういう理由による
ものなのか、すこし調べてみたいと思います。

1972年、ドパミン作動性神経には自己受容体が存在しており、ドパミンの過剰な
放出を制御しているという仮説が提唱されました。大塚製薬はこの説を応用し、
「ドパミン自己受容体刺激薬はシナプス間のドパミンを減らし、結果として
抗精神病薬と同じ作用をするのではないか」と考えました。当時の抗精神病薬は
後シナプスのドパミンD2受容体を強く遮断することが重視されており、確かに
それで幻覚・妄想などの陽性症状は収まるのですが運動・筋肉系のD2受容体まで
遮断することによる弊害、すなわち錐体外路症状(EPS)が問題となっていました。
首が曲がる、舌を頻繁に出し入れする、震える、同じ姿勢で固まるなど、薬を
飲んでいることが外見で一発で分かってしまうこれらの症状はQOLを著しく
下げてしまいます。また、大脳皮質のドパミン系の働きを遮断することにより
やる気や思考力の低下といった陰性症状が強まる事も問題とされました。

大塚が行った動物実験で、ドパミン自己受容体刺激薬はEPSを引き起こさないと
いう結果が確認されると、大塚はこれを有用な抗精神病薬になり得るとして
第Ⅰ相試験を開始します。この薬がOPC-4392、アリピプラゾールの前身です。
OPC-4392はクロルプロマジンとの比較で高い安全性を示しましたが、実用性は
イマイチでした。陰性症状に優れた効果を示すものの、肝心の陽性症状には
治療どころか悪化することがしばしば見られたのです。また高い頻度で起こる
吐き気の副作用も問題でした。この問題は解決しないまま開発は終了します。

OPC-4392は自己受容体のみに作用し、後シナプスD2に関与しないはずでしたが、
どうも濃度が高まると後シナプスのD2に対して刺激を与えている感じです。
だったらもう最初からシナプス間隙へ漏れる事を前提とし、自己受容体へは
刺激を、後シナプスD2へは遮断作用のある薬物を探せばいいじゃない!と
大塚は開き直ります。そんな都合の良い物質があるのか…と思いますが、大塚は
80年代後半についにそれを探り当てます。OPC-14597、アリピプラゾールです。

アリピプラゾールは90年に第Ⅰ相試験を開始し、95年に非臨床試験を終了します。
99年にはブリストルマイヤーズ・スクイブ社と米国で共同開発を開始し、早くも
2002年にはFDAに承認されました。同じように試験を進めながら4年も早く米国で
承認されるという事態に、2000年代の日本の治験体勢の混乱が見て取れます。
アリピプラゾールは前シナプスと後シナプスで刺激/遮断の異なる作用を持つと
大塚は考えましたが、そんなややこしくしなくても、部分アゴニストと考えれば
良い、と米国研究者達は提唱しました。以後、大塚は自己受容体への作用という
フレーズを取り、ドパミン部分アゴニスト、スタビライザーであると宣伝します。

部分アゴニストとは内因性リガンド、つまり体内ドパミンが少ないシナプスでは
刺激薬(アゴニスト)として、多いシナプスでは逆に遮断薬(アンタゴニスト)と
して働く薬です。これにより、ドパミン系が異常亢進している辺縁系ではこれを
遮断して陽性症状を抑え、ドパミン機能が低下している皮質ではドパミンの代理
として作用することで陰性症状を抑える事が出来ます。アザピロン系抗不安薬で
セロトニン受容体の部分アゴニストは知られていましたが、ドパミン受容体で
それを提唱したのはアリピプラゾールが始めてであり、それが為にこの薬は
ドパミンシステムスタビライザー、DSSの名で第三世代抗精神病薬と呼ばれて
います。この通り名のインパクトは凄まじく、アリピプラゾールは欧米各国で
画期的新薬と賞賛され、300億円/年のペースで急激にシェアを伸ばしました。
アリピプラゾールの2011年の売り上げは4000億円にも及び、パテントが各国で
切れたジプレキサ・セロクエルを突き放し、米国パテントが維持される2015年
までは向精神薬市場で独走状態になることが予想されています。

しかしこの部分アゴニストという作用は、果たしてアリピプラゾールに固有の
作用なのでしょうか?同じ受容体に作用する薬物の構造的類似性を探り出す
ファーマコフォアと呼ばれる研究の一説によれば、D2受容体にアゴニストとして
作用する条件は「分子上のアミンN原子を基点とし、3.8~4.6Åの距離にπ電子
(二重結合)が存在すること」であり、アンタゴニストとして作用する条件は
「π電子と共役していない第三級アミンN原子が分子中に1個以上存在すること」
です。言葉の詳説は省きますが、とりあえず定型抗精神病薬と呼ばれる薬物は
アンタゴニストとしての構造しか持ちません。しかし非定型抗精神病薬と
呼ばれる薬物は全てアンタゴニストとアゴニストの両方の構造を備えています。

従って、非定型抗精神病薬は全て多かれ少なかれ部分アンタゴニストとしての
性質を持っていると推測されます。実際、大日本住友製薬あたりはペロスピロン
(ルーラン)とアリピプラゾールの構造の類似性を指摘し、対して変わらない
性能なのにDSSと名乗って荒稼ぎしやがって…と言ってます(汗)

アリピプラゾールの部分アゴニスト作用が強調されるのは、この薬がD2受容体に
対して非常に強い結合親和性を持っており、それに比較して10分の1程度の5-HT2
結合力しか持たないのに、量を増やしてもほとんどEPSを引き起こさない点が
注目されたからです。アリピプラゾールは力価が強く、20mgも投与すればほぼ
D2を100%占有してしまいますが、この量でもEPSはほとんど起こりません。
前述のファーマコフォア説は非定型薬をD2と5-HT2の結合比率で考えるのではなく、
構造式上のアゴニスト/アンタゴニスト活性の比率として捉えていますが、そう
考えるならアリピプラゾールは非定型薬の中で最もアゴニスト活性の強い構造を
有していると言えます。アリピプラゾールよりアゴニスト活性の高い薬物として
ビフェプルノックスが挙げられますが、これは逆にアンタゴニスト活性が弱くて
陽性症状を押さえ込めず、開発中止しています。アリピプラゾールはドパミンの
部分アンタゴニストとして非常にバランスが良い位置にあるのでしょう。大塚は
アリピプラゾールの後継品としてOPC-34712、ブレックスピプラゾールを開発中
ですが、分子量・立体構造ともに多少大きくなる事でアリピプラゾールのような
ドパミン部分アゴニスト性が弱くなり、セロトニン受容体への親和性が強い
抗うつ薬的な性格を持つことになるようです。

余談ですが、「~prazole」という名前はオメプラゾールの類薬、一般的に
プロトンポンプインヒビター(PPI)と呼ばれる胃薬に使われる名称です。
アリルピペラジン骨格を持つからこの一般名にしたのだと思いますが、
アリピプラゾールはPPIと全く異なる構造をしており、この名前は非常に
紛らわしいので避けるべきだったと個人的に思います。何でアゾール環を
持たないのに-azoleを付ける!後継種もプラゾールの名が付いており、
まるで反省していないことがうかがえます(笑)

ただ、部分アゴニストの欠点として多量に投与しても完全にはD2を遮断出来ない
という事があります。従って辺縁系のD2の過感受性を押さえ込みきれず、
抗精神病薬なのにしばしば陽性症状を悪化させることがあります。これが
エビリファイの使いにくい所で、旧来の薬物から切り替えようとしたら症状が
一気に悪化した、高いくせにちっとも効かん!という批判を受けやすい原因と
なっています。最初から高用量で投与すればかなり防げるものと思いますが、
少量で賦活、多量で鎮静という概念は量の調節が難しい上に、鎮静を狙うなら
代替手段も多いので、無理に高額のエビリファイを多量に使う必要もありません。
批判は多くとも、この薬は他剤併用を視野に入れて使う薬かと思います。
双極躁に対して最近適応を取りましたが、初期投与量は24mgとかなり多めで、
これに合わせて作られた24mg製剤は1錠647円と破格の値段です。ケチって少量で
使おうとするとかえって悪化する為、ジプレキサとかを試す方がまだマシかも。

単剤処方だとかなり気難しい薬ですが、他剤と併用するとその応用範囲は非常に
広がります。D2結合力が非常に強いので他の抗精神病薬のD2結合力を弱める
事ができ、結果としてEPSを減らす「毒消し」として作用します。
またドパミン部分アゴニストとしての作用に着眼し、うつ病に対してドパミンの
賦活効果が欲しいときにも使えます。日本ではNDRIであるブプロピオンが認可
されていないので、この作用はより重要かも知れません。アリピプラゾール単体
ではうつに対してさほど効果を持ちませんが、抗うつ薬の効果を高めるという
ブースト作用は評価されており、実際に米国ではその適応を取得しております。
多分双極うつにも有用だと思われますが、躁転のリスクが高いので単極うつほど
気軽には使えないと思います。日本でも単極うつに対する治験は行われており、
順当に行けばあと数年で適応を取得するでしょう。

アリピプラゾールは非常に副作用が少ない薬で、定型薬に見られるEPSや
高プロラクチン血症も、非定型薬にしばしば見られる代謝異常や体重増加も、
両者に見られる性機能障害もほとんど起こしません。α1・H1に作用しないので
眠気や鎮静もありません。服用量が少ないことによる不眠・賦活や、多いことに
よるアカシジア(じっと座っていられない)等は見られますが、用量の調節や慣れ、
あるいはインデラルやリボトリール追加で収まる場合も多いです。従来薬の
効きが悪いときに、とりあえずで追加しやすい薬と言えます。

従って、ドパミン系の関与が疑われる疾患、たとえば自閉症・難治性うつ・
強迫性障害・トゥレット症候群などで状況打破のために使われることがあり
ます。かつてこの分野は少量のドパストン散や、賦活効果のある抗精神病薬の
オーラップなどが用いられてきましたが、最近はかなりエビリファイに切り変え
られてきているのではないでしょうか。ちなみにオーラップはD2遮断作用の強い
薬ですが同時にDAT遮断作用も持っており、擬似的部分アゴニストになってます。

こういう幅広い疾患に対して用いられ、少量で賦活して多量で鎮静し、しかも
しばしば症状を混乱させる(笑)薬には見覚えがあります。ドグマチールです。
ドグマチールはベンズアミド系抗精神病薬と言われ、フェノチアジン系・ブチロ
フェノン系に次ぐ第三の抗精神病薬と分類されました。EPSを極力減らすべく
努力したフェノチアジンの発展系がクロザピンなどのMARTA、ブチロフェノンの
発展系がリスパダールなどのSDAとすれば、ベンズアミドの発展系がエビリファイ
などのDSSである…とちょっと強引にまとめても良いのではないかと思います。

エビリファイは今年5月、双極躁の適応を取ると同時に、口腔内崩壊錠の発売に
着手し、しかも今まで無かった24mg錠を出してきました。ノーマル錠・液剤・
散剤を含めるとエビリファイの規格は11種類にも及び、リスパダールに並びます。
最初これを聞いた時、半ば殺意をこめた目で「当然プレタールの様にノーマル錠の
製造は中止するんですよね?」と大塚に問い返しました。大塚はにこやかに「No」と
答えました。私があやうく魔法少女から魔女に転生しかける寸前、「ザイディス!
ザイディスですから!」と彼は叫ぶのです。どうやらクラリチンやジプレキサと
同じく、キャタレント社の製剤技術である「ザイディス」をエビリファイにも導入
したとのこと。だったら何故レディタブやザイディスという名前にしない!

日本ではOD錠の名は乾式錠、即ち一包化も可能な堅い剤型に対して与えられる
事が多いです。「ザイディス」は非常に脆く湿気やすい湿式錠なので、一包化
どころかピルケースにしまうことさえ出来ません。医師は「あーOD出たんか
ホナそれに変えとこか」的なノリで処方箋を書くでしょうが、ザイディスは性質が
全く異なる薬です。特許的な問題でザイディスを名乗れなかったと言うことです
が、それならそれでレディタブ・RPDのように特殊な名前を考えるべきでしょう。

しかもザイディスが必要になるであろう急性躁に用いる24mg錠は直径18mm、1円玉
サイズの馬鹿デカさです。更にジプレキサでさえザイディスは遠慮して最小70錠
包装なのに、エビリファイは堂々と100錠包装で販売してます。箱でかすぎ!
そして高すぎ!ジプレキサのザイディスがわりかしよく売れてるのであやかった
ものと思われますが、正直これはさすがに売れないんじゃないかなぁ。世界規格
ゴリ押しのグラクソとかならともかく、日本企業がこんなパッケージングをする
のはがっかりです。まぁ大塚はメプチンという薬に対しても、11規格発売という
当時の常識からかけ離れた乱立販売を行った前科があるので、あまりこういう
商法に抵抗がないのかも知れませんが…28錠包装のレクサプロを作った持田が
いかに有り難い存在かよく分かりますよね?日本人なのでエビリファイを応援
したい気持ちは当然あるんですが、その薬理同様取り扱いも面倒な薬です(汗)
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by haya by hayanoya | 2012-05-18 02:36 | ちびまる向ちゃんトピ
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