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向精神薬擬人化その14:リーゼ
向精神薬擬人化その14:リーゼ_f0133373_1415435.jpg一般名クロチアゼパム。
規格は5mgと10mg。
愛称は「りぃぜ」。(まんまやん)

でぱ子を体操服にしてしまった以上、
姉のりぃぜも体操服であるべきでしょう。

そして世代的にも当然ブルマで。
ブルマは都市伝説とか絶滅種とか、
そう考えていた時期が俺にも(ry

決して自分を出し過ぎることなく、
それでいて切れ味よく不安を抑える。
たとえて言うなら「スライスレモンを
そっと差し出す運動部マネージャー」
と言ったところでしょうか。

…運動部に所属したこと無いので、そんな漫画みたいな存在が
本当にいるのかどうか、全く知りませんけどね。

ちなみに彼女が持っているのは「リーゼ錠のレモン汁漬け」です。
…食えるかよ。

でぱ子の姉なので、髪型もよく似ています。
サイドポニーと言う奴をやりたかったんですが
普通のポニーっぽくなってしまいました。

九州の大物一家、「吉富組」の長女に当たり、
でぱ子よりも流暢に中津弁を使いこなします。
普段は標準語ですが、地が出ると元に戻る様子。

薬効的にも人気的にも妹の方が優秀で、どうしても日陰者的な
存在になりがち。そんな妹に嫉妬…と思いきや、姉妹仲は
良好。むしろりぃぜの方がでぱ子を溺愛しています。

性格は温厚で、手料理も得意。絵に描いたような古式ゆかしい
日本女性。これは吉富のおじいちゃんの教育方針のせい。

でもその一方、でぱ子とは違った意味で天然。浮き沈みが激しく
惚れっぽい。お弁当攻撃で一途に尽くすけど忘れるのも早いという、
良くも悪くもアグレッシヴな女の子です。

剣術を得意とし、中西一刀流免許皆伝の腕前ですが、人当たりの
よい性格なので、クラス内でその腕前を見せることはないです。

ただ、吉富のおじいちゃんに
「チエノジアゼピンの裏切り者は消せ」という物騒な密命を
受けているため、睡眠薬クラスのレンドルミンのるみを見るや、
豹変して襲いかかります。震え上がったるみは、少なくとも
りぃぜの目の前では、吉富一家の姉妹、「ぐど美」であるという
キャラを演じるようになりました。




リーゼの語源はlyze(分解)と言われています。不安を分解すると
言う意味です。他にもRise(上昇)→気分高揚、Rieze(独、巨人の意)
→抗不安薬のガリバーといったトリプルミーニングになっています。
…こじつけくさいですけれども。
でもリーゼという語感は好きです。ドイツの女性っぽいですね。

ちなみに鶴原製薬はリーゼのゾロ薬を作って「ナオリーゼ」
とかいう商品名を付けています。治るどころか脱力するわ!
こんな名前を付けるゾロメーカーはライセンス剥奪してしまえ!

リーゼ開発の歴史は古く、ジアゼパムが全盛だった1969年には
既に吉富製薬の研究所にて、前臨床試験が開始されていました。

もともと吉富は「ノンフラミン(塩酸チノリジン:現在販売中止)」
という名の塩基性消炎鎮痛剤を開発しており、チオフェン環と
ピペリジン環の縮合に関する合成データを持っていました。

これをベンゾジアゼピンに応用することが出来ないか、と考え、
結果としてチオフェン環とジアゼピン環の縮合に成功しました。
これにより「チエノジアゼピン」という、従来とは
かなり形状の異なった物質が生まれたのです。

後年開発されたデパスでは、この構造に更に、武田-アップジョン
で立証された、抗不安効果の高いトリアゾロ環を組み込むことで、
より少ない量で強力な抗不安効果を得ることが出来ました。

ベンゾジアゼピンの側鎖をちょっといじっただけで新しい薬だと
各社が発表していた中、ベンゾジアゼピン構造そのものを変えたの
はリーゼが初めてです。後にベンゾジアゼピンの諸問題が
浮き上がり、その構造を大きく変えたアモバンやマイスリーが
非ベンゾジアゼピン系ともてはやされました。
それを考えると、吉富の素晴らしい先見性がうかがえます。

残念ながらリーゼは薬効的にベンゾジアゼピン系に類似し、
非ベンゾジアゼピン系薬と称する事は出来ませんでした。
しかし、チエノジアゼピンという系統を開発し、後のレンドルミン
とデパスの発見に寄与したことは、マイナートランキライザーの
発展にとって非常に大きな貢献だと言えるでしょう。

抗不安効果で言えば、リーゼは非常にマイルドに働く薬です。
効果がかなり早く、肝臓の初回通過効果が強いために
切れ味もよい、優れた短時間型抗不安薬です。
デパスほどの催眠性や筋弛緩性こそ無いですが、純粋に
抗不安薬として見た場合、リーゼの方が優れている気もします。

でも30mg/dayまで増量すると、低力価薬物の悲しさか、副作用頻度
が上昇するため、一般に流通しているのはもっぱら5mg錠のように
思います。それでも国産抗不安薬内でのシェアは30億近くと、
セディールに次いで4番目を確保しているところを見ると、
眠気の少ない、使いやすい抗不安薬として一定の需要がある様です。

リーゼは1978年に発売されましたが、77年のレキソタン、78年の
ワイパックスと強力なライバルが相次いで販売され、その印象が
薄れてしまいました。
しかし、安全なベンゾジアゼピンを求めていた欧州各国において
評価を受け、国産の抗不安薬としては珍しくフランス・スペイン・
イタリア・ベルギーにおいて導入が決定されました。

米国では発売されていませんが、市場への登場がかなり古かった
ために規制物質法制定時に対象薬品に選ばれてしまい、
それを受けて日本でも向精神薬の規制に縛られることになります。
これによって、デパスより弱いのにリーゼだけ抗不安薬扱い?
という矛盾した状況になっております。

また発売当初は糖衣錠だったのですが、大きくて飲みづらかった
ため、1998年に小さなフィルムコート錠として再発売されました。
今でもリーゼ糖衣錠で検索して、そこそこヒットするのは、この
名残だと思われます。今のリーゼは甘くないので嘗めても無駄です。

1974年のクロフェクトンに続き、78年のリーゼの開発により、武田
薬品の子会社だった吉富薬品は、精神神経系医薬品開発の大手に
躍り出ました。しかし、83年にデパス、91年にクレミンを開発した
後は、自社開発商品は生み出していません。
(ドラールはエスエス製薬が製造し、吉富は販売のみ担当)

その後、吉富は98年、ミドリ十字と合併してウェルファイドに、
2001年に三菱東京と合併して三菱ウェルファーマに社名変更し、
ヴェノグロブリン、アンプラーグ、ラジカットなどの
血液系医薬品をメインとする会社に変貌してしまいました。

精神科医薬品事業部は三菱ウェルファーマから分離され、
吉富薬品(株)として生き残っているものの、もはや自社開発
が出来る能力も資産も無いでしょう。

自社開発をやめて合併路線を歩んだのは、中堅製薬企業として
当然の選択ですが、世界に通用する国産の向精神薬は非常に
数少ないだけに、ちょっと勿体ない気もします。

ともあれ、リーゼはデパスの4分の1の売り上げながら、
今日ものんびりと不安な人を癒し続けています。
ゆるゆるっと生き残って欲しい薬の一つです。
by haya by hayanoya | 2007-05-02 14:19 | ちびまる向ちゃんトピ

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