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独立行政法人 産業技術総合研究所
【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という) 生物機能工学研究部門【研究部門長 巌倉 正寛】 生物時計研究グループ石田 直理雄 研究グループ長、 大石 勝隆 主任研究員は、 筑波大学大学院 白井 秀徳 氏、 早稲田大学 理工学術院 柴田 重信 教授らとともに、 高脂血症治療薬であるフィブレートによって 体内時計の調節が可能であることを発見した。 思わぬ所から、なにやら新しい睡眠薬開発の香りが。 PPAR(peroxisome proliferator-activated receptor: ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体)とは、細胞核内受容体の一つで、 いくつかの種類がありますが、その機能はあまり詳しく分かっていません。 PPARを刺激すると、タンパク質の合成が活発化し、ペルオキシゾーム という細胞内小器官がどんどん作られてゆきます。ペルオキシゾームは、 生体内の様々な酸化反応に関与していると言われています。 特にPPAR-α受容体を刺激すると脂肪酸を酸化分解する方向に働き、 PPAR-γ受容体を刺激するとグルコースを細胞内に取り込む方向に働きます。 このPPAR-αの働きに注目して作られた薬物がフィブレート類です。 フィブレート類は、メバロチン等のHMG-CoA還元酵素阻害薬とともに、 高脂血症の代表的な治療薬です。ベザトールSRやリピディルが有名です。 主に中性脂肪を減らす薬物として使われています。 体内時計にはCLOCK遺伝子とBMAL1遺伝子の二つが大きく関わっており、 BMAL1の量は24時間周期でリセットされ、時計の役割を果たしています。 (BMAL1が減少すると覚醒の方向に働く) 今回の話を聞く限り、PPAR-αは血漿中の脂肪酸を分解すると共に、 BMAL1を増やす方向に働くのではないか、という気がします。 でも、ベザトールSRを飲んで概日リズム睡眠障害が改善された、なんて話を 私は聞いたことがないです。現在流通しているフィブレート製剤は 脳への移行性がかなり悪いと思います。高脂血症薬なので当たり前ですが。 より中枢選択的に働くフィブレート類が開発されたら、ひょっとしたら メラトニン受容体刺激薬に並ぶ、新しい睡眠薬の候補になるかもしれませんね。 |





