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向精神薬擬人化その9:マイスリー
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一般名、酒石酸ゾルピデム。
規格は5mgおよび10mg。
愛称は「舞」。

世界で最も売れている睡眠薬なので、
世界的アイドルという設定です。

もともと睡眠薬シリーズは全員寝巻きを
着せておこうというコンセプトだったため、
舞も「はだT」になってしまっています。
いちおうTシャツのデザインはマイスリーの
パッケージから起こしてあります。

あも姐あたりから寝巻きの原則も崩れたので、今にして思えば
アイドル服を着せておいた方がよかったかもしれません。
でもまぁこれはこれでアリかと。
描くのラクだし。

マイスリーの広告には、必ず顔の描かれた枕を
並べたイラストが書かれています。

睡眠薬の広告で、ここまで枕を全面的に押し出した事に、
「睡眠導入剤のゴールデンスタンダード」としての
プライドが現れていると思います。

従って、舞のトレードマークにもデカ枕を付けました。
サンテラボ研の博士たちが、舞を学園に入園させる際
寂しくないように…とプレゼントした代物です。

他の眠剤達のような抗不安作用を持たず、精神的に幼い舞は、
このお気に入りの枕がないと眠れないのです…
というベタな設定にしておきます。睡眠薬が眠れないなんてイミフw

超短時間型睡眠薬という性質上、睡眠薬クラスに編入されて
いますが、構造式の上ではいみだぞぴり人という種類で、
みんなと同じべんぞ人ではありません。それなのに学園入園前から
教授陣や被験者たちからちやほやされまくっていたため、
上級生たちから嫉妬の目で見られています。

これにより、積極的に舞に話しかける者もおらず、
舞もまたアイドル活動で忙しくてクラスに馴染めず、
結果としてクラス内で浮いた存在になってしまいました。

いつも一人で寂しく帰っている舞を見るに見かね、
クラスの風紀委員であり、舞の義理の姉であるあも姐が
面倒を見ることになりました。

あも姐はいつも舞の人気に対する当て馬的扱いを
強いられており、正直舞が大嫌いでした。
でも、あも姐の実家が舞の実家と寄り合い所帯になってしまい、
戸籍の上では、舞が妹になってしまったのです。

最初は嫌々ながらだったのですが、
無邪気にはしゃぐ舞を見ている内に情が移り、
今では実の姉妹のように仲がよいです。

今でも、クラス内の舞の立場はあまり変わっていませんが、
あも姐のお陰で、昔よりずっと明るい表情をするようになりました。
よかったね。

…はい、キモい脳内設定はこのくらいにしておきます。



ベンゾジアゼピン系がベンゾジアゼピン受容体に作用して効果を
示すことは、かなり前から分かっていましたが、
実際にベンゾジアゼピン受容体が同定されたのは1977年でした。
ちょうど、チエノジアゼピン系のリーゼが販売された頃です。

80年代初頭に、この受容体はベンゾジアゼピン以外の物質も
結合でき、しかもベンゾジアゼピンの時とは違う挙動を示す
事が分かると、一斉にポスト・ベンゾジアゼピンを探す
動きが各社で出始めました。

サンテラボ社はその中で、イミダゾール環にフェニル基と
アミド鎖が引っ付いた構造に着目しました。
それに関連する膨大な化合物を調べていった結果、
イミダゾピリジンアセタミド類に強い催眠活性があることが
判明し、その中で最も強い活性を示したのがゾルピデムでした。

ゾルピデムは非常に体内への吸収が早く、また急速に代謝され、
かつその代謝物に催眠活性が無いことが分かり、
新しい催眠導入剤として非常に期待の持てる化合物でした。

更に、ベンゾジアゼピン受容体への結合性に対しても、
ベンゾジアゼピン類とは異なった性質を示すことが分かりました。
すなわち、ω(オメガ)1受容体への選択性です。

ヒト脳のベンゾジアゼピン受容体はその構造上、ω1とω2の二つに
大別されます。ω1受容体は小脳や黒質に多く分布し、鎮静や
運動停止を司ります。ω2受容体は海馬や脊髄に多く分布し、
抗不安効果や筋弛緩作用に関わっていると言われています。

ゾルピデムはω1への作用がω2に対してかなり強いことが示されて
います。ラットにおけるω1/ω2結合比はゾピクロン(アモバン)4、
トリアゾラム(ハルシオン)3に対し、ゾルピデムでは11と、
3倍近い選択性を示しています。

他にω1への選択性が高い物質として、クアゼパム(ドラール)が
知られていますが、クアゼパムはヒトにおける代謝の過程で、
ω1選択性を失った物質が出てくることが知られており、
医薬品として、ω1受容体選択的刺激薬とは言えません。

ω1に選択性を持たせたことで、ゾルピデムはベンゾジアゼピン類
とは全く別種の薬になりました。従来のハルシオンやデパス等は、
日中に使用すれば抗不安薬として働きます。これらの薬が
ω2受容体も刺激するので、抗不安作用を示すためです。

しかし、ゾルピデムは抗不安作用を持ちません。完全に睡眠専用
の薬なのです。同時に筋弛緩作用も無くなり、脱力感やふらつき
といった副作用もほとんど消えています。抗不安薬と睡眠薬の
境界が曖昧だったベンゾジアゼピンには存在しなかった特徴です。

1988年に、ゾルピデムはフランスでデビューしましたが、
その後瞬く間に世界中を席巻しました。その前年度にアモバンが
デビューしたときもかなり騒がれましたが、ゾルピデムは
それを上回りました。特にアモバンが販売されなかった米国で
急速に売り上げを伸ばし、米国睡眠薬市場の8割をさらう
メガヒット商品となったのです。

無論、日本への導入も非常に期待されていました。ところが、
抗不安作用を持たないことが弱点となり、1993年に行われた
神経症と心身症患者を対象とした二重盲検比較試験で、
ハルシオンに対して同等性を示すことが出来ませんでした。
このためゾルピデムの日本への導入は、一時頓挫します。

しかしながら、ゾルピデムを望む研究者達の思いは強く、
2000年になって、今度はアモバンとの二重盲検比較試験が
行われました。これによってアモバンに対し何ら劣る所の
無い薬と証明され、晴れて日本で使えるようになりました。

舞が学園で過ごせるようになったのは、あも姐のお陰なのです…
いやそれはどうでもいいですが。

日本では旧藤沢薬品(現アステラス製薬)が販売を担当し、
My Sleepという言葉からマイスリーと名称が付けられました。
ちなみに米国ではアンビエン、開発元フランスではスティルノックスと
名付けられてます。マイスリーの方が響きが良くて好きです。

ただ、93年の比較試験の結果が影響し、マイスリーの適用に
「不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)」
という変なコメントがついてしまいました。
このため精神科において、まことに使いにくい薬になっています。

確かに不安の大きい患者に対して効き目は弱いでしょうが、
およそ精神科の患者で、安定剤のみで治療できる事は
ほとんどありません。精神科における不安や不眠は、たいてい
何らかの脳受容体系の破綻が原因です。

どうせそういう病態はSSRIなり抗精神病薬なり、他の薬で治療する
のだから、不眠という症状を不眠にのみ効果のある薬で治療する
ことが、意味のないこととはとても思えません。
このコメントはどうも不自然な気がします。

ひょっとしたら、マイスリーの特許が切れて、各社一斉に
ジェネリック品を作り出したときに、このコメントを削除し、
「マイスリーが精神科でも使えるようになりました!」
…などと発表するのでは無かろうか。凄く嫌な予感がします。

なにせアステラスはフルボキサミン(ルボックス)の宣伝の
ためだけに「社会不安障害」という病名を日本に広め、
「社会不安障害の適応があるのはフルボキサミンだけ!」
とアピールした前科がありますしね。

ともかく、マイスリーは2007年現在、年間200億ペースで売れる、
日本でもっとも人気のある睡眠薬になっています。
世界規模で見ても、ゾルピデムは年間約2000億円を売り上げ、
世界中の医薬品の中でも36位にランクしています(2006年)。

単価の安い睡眠薬において、世界の医薬品売り上げトップ100に
入っているのはゾルピデムだけです。いかにその存在が大きいか
分かると思います。
…まぁ、ゾルピデムは薬価もえらい高いんですけどね(ボソリ)

値段の高さを除けば、個人的にもベストの睡眠薬と考えます。
…ただ、どうにも気になるのが、「異常行動」です。

マイスリー服用後、急にアクティブな行動を取り、しかもその
事を覚えていないという、まるでアルコールの酩酊状態のような
症状の報告例が、割に多いような気がします。
タミフル騒動とは違って、飛び降りたりというのは無いようですが。

筋弛緩作用が弱いので、頭は眠っていても体が起きているのでは
ないか?その状態で半端に脳機能を鎮静すると、残った脳機能で
ろくに意識のないままに動いてしまうのではないか?

はっきりしたことは言えませんが、この間米国でニュースになった
事もあり、気をつけるに越したことはないでしょう。
下手するとタミフルみたいに騒がれかねないですから。

一つ言えるのは、マイスリーを飲んだら部屋を暗くしてベッドに
入って目をつむれと言うことです。
眠剤飲んだからそのうち寝れるし、とりあえずDSの電源入れるか…
では、異常行動を起こしてくれと言っているようなものです。
せめて、眠ろうとする行為をしなければ、眠剤は助けてくれません。

舞は寂しがり屋なので、放っておかれるとろくに力が使えない…
とか考えて眠りましょう(え゛
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by haya by hayanoya | 2007-05-05 09:36 | ちびまる向ちゃんトピ
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