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向精神薬擬人化その10:リスミー
擬人化.org様で取り上げていただいたようで、
アクセスが倍近くに伸びました。ありがとうございました。
この場にて御礼申し上げます。(↓お礼のポーズ)

向精神薬擬人化その10:リスミー_f0133373_2384121.jpg今回ので、昨年の発表分は全て終わりです。
ようやく「その11」以降に繋がりました。

んで、リスミーです。
一般名リルマザホン。
規格は1mgと2mg。
愛称は「りすみ」。
舞の後に、オチとして登場させました。

引っ込み思案な日本製というイメージで、
黒髪ストレートです。パジャマの水玉は
リスミー2mgのシートに、
本当にデザインされてます。

…水玉じゃないの?私の目が腐ってますか?

後頭部に付いてるネコミミっぽいのは、実は塩野義マークを
横にしたものです。あの両替商の看板みたいなやつ。
なので「ネコミミなのに普通の耳があるのは変」とかいう
ツッコミは受け付けません。ていうかそんな隙を作るなよ俺。

…性格はまぁ、見たまんまな感じです。
眠剤としての性能はクラスで最低レベルなので、実力も自信も
まるで持ち合わせていませんが、わりと自己顕示欲は旺盛の
ようで、何とかしてユーザーを増やしたいと考えているようです。

しかしそれが良い方向に出ることはありません。何でもいいから
気を引こうと、足りない頭でロクでもない事を思いつき、
当然のようにロクでもない結果に終わります。

周りからは「気弱だけど大胆な悪戯をする娘」と捉えられています。
実力不足を色気と愛想でごまかしてきたレンドルミンのるみに
とって、りすみは色々と鬱陶しい存在に思えるようで、
しょっちゅうりすみをこづき回しています。

りすみの方もるみに対し、言葉で反撃しようとするのですが、
大抵要らないことを口にして、更にひどい結果になります。
実はいじめられっ子属性なのかもしれません。構ってちゃんだし。




出来の悪い睡眠薬の見本のように扱われているリスミーですが、
その販売年度は1989年。何と88年生まれのマイスリーより後に
生まれています。アモバン・マイスリーと立て続けに画期的な
睡眠薬を発表したフランスに対し、日本ときたら全くもう。

デパスという優れた国産抗不安薬がある一方で、睡眠薬は
外資系の独壇場です。国産のベンゾジアゼピン系睡眠薬といえば、
ユーロジン・エリミン・ソメリン・リスミーの4種類しかなく、
そのいずれもがションボリな販売成績の薬ばかりです。
ここにもダウナー系嫌いな日本人の性格が現れている気がします。

リルマザホンという一般名は、何となくベンゾジアゼピンぽい
名前じゃないよな、と推察できる人は鋭いです。
この薬、体内に入るまではベンゾジアゼピンの構造じゃありません。

ジアゼピンの環が閉じておらず、そのフタの部分の窒素に
アミノ酸のグリシンが引っ付いて、フタのつっかえ棒になった状態、
いわば「ベンゾジアゼピンのひらき」です。

小腸で吸収される際に、そのつっかえ棒であるグリシンが外れます。
その後、自動的に環が閉じてベンゾジアゼピン構造になり、
晴れて薬物活性を示します。メイラックスの項でも触れましたが、
いわゆる「プロドラッグ」という薬物です。

メイラックスのプロドラッグ化の目的は、副作用の軽減でした。
リスミーは何が目的でこんな事をしたのでしょう。

ベンゾジアゼピンのフタが閉じた状態、いわゆる閉環構造になると、
フタが開いた状態に較べて脂溶性が跳ね上がります。
油に溶けやすいという事は、肝臓に吸収されやすいという事です。

リルマザホンのフタを閉じた状態で経口摂取すると、腸管門脈から
速攻で肝臓に吸収され、分解されてしまいます。
グリシンをつっかえ棒にすることで、脂溶性が下がり、
門脈→肝臓→分解ルートを回避し、全身の血液を巡って、
ようやく脳に辿り着くことが出来るのです。

でも他のベンゾジアゼピンはそんなギミック付けてないよね?
正直このプロドラッグ化という行為自体、リスミー閉環構造が
バイオアベイラビリティ(薬物効率性)の悪い薬であることを
証明していると言えるでしょう。

さて、苦労して脳に辿り着いたとして、そこから強力な効果を
示すのかと言われれば、これまた気怠い答が返ってきます。

閉環したリルマザホンは、一見ハルシオンによく似た構造を
示します。しかしよく見ると、トリアゾロ環の窒素の配置が
微妙に違います。このせいでハルシオンとは全く別の挙動を
示し、効果も弱くなってしまいました。

ハルシオンに代表されるトリアゾロベンゾジアゼピンという
構造は、武田と旧アップジョンの専売特許なのです。
デパスもトリアゾロ環を付けていますが、これはチエノジアゼピン
という別種の構造なので問題ないです。吉富頭いい!

チエノジアゼピンという武器のない塩野義は、
パチモノのトリアゾロ環で勝負するしかありません。
んで、少しでも効果を上げるよう側鎖を色々といじった結果、
短時間型から長時間型まで4種類もの活性代謝物が存在する、
N,N-ジメチルアミドという複雑な構造になりました。
リスミーの効果は、この4種の代謝物の効果をかき集めたものです。

ベンゾジアゼピンの閉環に時間がかかるため作用発現が遅く、
4種類もの薬物に分解されるため薬物活性も弱く、
さらにその4種の一つが長時間作用するので薬のキレも悪い。
まぁ、リスミーが人気無いのも無理はないですね。

メーカーもなんか自棄になったのか、「自然の睡眠リズムに近い」
と宣伝してます。リズム(Rhythm)→リスミーと命名されました。
自然の睡眠リズムとはつまり、効いてないと言うことでないか?

まぁでも、世の中にはレンドルミンですらきついと言う、
薬物に感受性の高い人々も存在するので、
最弱であるリスミーと言えど、一定の需要を得ています。

あと、向精神薬指定ではないので、14日を超える処方が可能
というのも、結構ポイント高いです。
アモバンは苦い、デパスやベンザリンはきつい、ベゲは論外、
…でも長期で眠剤が欲しい高齢者、というケースだと
もうリスミーしか選択肢が無いですね。

立ち位置さえ把握していれば、リスミーも悪い薬では無いです。
キャラの弱いユーロジンやソメリンに較べれば、よほど存在価値の
ある睡眠薬と言えるでしょう。

せいぜいうすい需要をおっかなびっくり供給してほしいものです。
…セラスのように大成することはあり得ませんが。
by haya by hayanoya | 2007-05-08 02:48 | ちびまる向ちゃんトピ

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