以前の記事
2018年 04月 2017年 11月 2017年 05月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 10月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 01月 2015年 09月 more... タグ
ちびまる向ちゃん(100)
クスリあれこれ(39) 薬剤師(11) 薬の擬人化(9) 漫画(6) 頂き物(5) アモバン(3) リボトリール(3) ロヒプノール(3) パキシル(3) エビリファイ(2) マイスリー(2) エバミール(2) ルネスタ(2) Sonata(2) ジェイゾロフト(2) デパス(2) ラミクタール(1) ドラール(1) ドグマチール(1) ライフログ
検索
お気に入りブログ
Favorite Link
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
医療関係者は必見らしいので、とりあえず見てきました。SiCKO。
病気を治す医療制度そのものがビョーキ(sicko)だ!ということで このタイトルになったそうですが、正直日本で公開するなら もう少しひねった方がいいような… お下品。 「しっこ大人一枚」とか、窓口で言うの結構恥ずいです。 どこの聖水サービスだよ! 映画の内容は米国の医療保険制度がいかにやばい代物であるか 克明に描写したものです。 160億円程度の未払いしかしてない日本の損保など、比較にならないほど 粘着的で組織的でヤクザ的な米国民間医療保険会社。 彼らの手にかかれば、保険の効く病気など存在しないも同然。 既往症があると言っては撥ねつけ、 過去に単純な皮膚炎にかかった事を記載してないと言っては契約を破棄し、 事故に遭う前に救急車を呼ぶ申請をしていなかったと異次元的な言い訳をし、 医師の診察結果を「現実的ではない」と判断して拒絶し、 効果的な治療を「実験的だ」と言っては支払いをゴネる。 この結果、保険に加入しているにも関わらず、手術代や30日分の薬剤代が 普通に100万円単位。余りに非現実的、むしろ喜劇的でさえあります。 さすがに冗談だと思いたいですが、アメリカではこれがドキュメンタリーと して絶大な支持を受けているとか。つまりこの内容にリアリティがあると 言うことです。マジで? さらに、アメリカの医療に寄生しているのは保険会社だけではありません。 そもそも薬が馬鹿高いのです。製薬企業が言い値で価格をつけてますんで。 ここらへんはマーシャ・エンジェル著「ビッグ・ファーマ」が詳しいです。 保険会社と製薬企業は、政治家にうずたかく献金を積み上げ、効率よく 民間人から膨大な医療費と保険料を吸い上げるシステムを作り上げています。 経団連なんて目じゃないです。なんて素晴らしい資本主義社会。 どれだけ政府にいじめられても暴動を起こさない日本人は世界一忍耐強い 民族だと思ってましたが、アメリカ人の忍耐強さには負けますね…。 医療保険を民間企業に託してはいけない、国民皆保険を堅持すべきだという 主張に、これほど説得力を持たせる映画は無いでしょう。 つい最近、日本の介護保険もグッドウィルが食い荒らしていたことが 明らかになったばかり。国の税金バラマキ体勢も問題大ありですが、 だからといって医療を営利追求しか考えない民間に委託するのは、 国家の自殺に等しい暴挙です。 日本の医療費は33兆円を突破したと騒がれています。パチンコ産業が30兆円 であることを考えると、そこまで高いようには思えませんが、 国民皆保険の維持を大前提として、熟慮の上運用してもらいたいものです。 医療費抑制に対する、イチ薬屋の意見としては、 ●医療用の湿布やビタミン剤など、OTCで代替品のある薬は保険適応から外し、 薬価で販売する。 ●品質や供給や知名度に難のあるジェネリックを使わず、特許の切れた先発品を ジェネリック並に安くする(最近エグゼンプトドラッグとか言われてるやつ?)。 ●保険適応外処方に関しては、原則保険を使用しない(処方箋に病名を明示する)。 …どれもこれも関連団体の反発で無理そうですね…。 |