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ちびまる向ちゃん(100)
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これ更新するの半年ぶりくらいじゃないかな?
そろそろ夏コミに向けて仕込みの時期なのに、 一向に休みが取れない俺の職場\(^o^)/オワタ! こんな憂鬱な日々は黄色いお手伝いさんを飲んで切り抜けるんだ! …というわけで今回はセルシンです(強引) 前回のバランスに続き、アダルトキャラ路線。 一般名はジアゼパム。 規格は2mg・5mg・10mgと1%散。あと注射。 座薬は4・6・10mgで和光堂から。 愛称は「るーしぃ」。 ジアゼパムはおそらく世界で最も販売された向精神薬です。 アスピリンやペニシリンに匹敵するかも知れません。間違いなく 人類史に残る薬と言えるでしょう。 そんなおそれおおい薬を、安易に擬人化していいのか? するとしても他のキャラに 埋没するようではダメなのでは? …などと愚考した結果が これです…ってえぇぇ? 野趣溢れるヒッピースタイルと 母性の象徴たる長いまつげ、 「世界の人類平和」を刻んだ フォークギター。ピースマークに スマイリーバッチまで付けた、 まさに完璧な平和の使徒という悪ノリでしたすいません。 セルシンのパッケージはほとんど面影が残っていませんが、 一応白と青のストライプ柄はセルシンカラーです。 髪の毛の緑色はセルシン10mgの色になります。 るーしぃと言う名前は「多重人格探偵サイコ」のキーパーソン、 ルーシー・モノストーンから取ってます。60年代に米国で反戦を 訴えるため、ホワイトハウスやペンタゴンに花を植えるという ゲリラ活動を行った(らしい)ルーシーの意志を継ぐ者として、 左目に「LUC-XX」の刻印が刻まれています(笑 学園での役職は抗不安薬クラス(Aクラス)の担任ということに なっていますが、超が付くほどの放任主義であるため、教鞭を 振るうことはほとんどありません。 これは彼女が学園生だった頃、同期だった「はいら」が、彼女との 余りの才能の差に絶望し、自殺してしまったことに 関係があると言われています(エバミールの項参照) そこにいるだけで親友を失ってしまった彼女は深く哀しみ、 特定の人物と深く関わることをやめてしまったようです。 今では学園中に花を植え続ける用務員のような事をしていますが、 学園生の悩みや相談事を、味のある顔で受け答えている内に、 いつの間にかほとんどの学園生の母親的存在になってしまいました。 学園生全ての手本となる能力を持ちながら決しておごらず、 人類全ての幸福を心から本気で願っているるーしぃは、 バリバリの左翼系活動家である姉の蘭よりも、よほど学園に おける人望が高く、それ故に蘭とあまり仲が良くないです。 セルシンの語源は「"Cer"tain(確かな)+精神(Sei"sin")」だそうで、 この時代の薬らしく英語+日本語の強引なこじつけで出来てます。 旧山之内は「ホリゾン」。これはそのままhorizonで、水平線です。 水平線のような心の安定をという意味で、スマートですね。 でも武田はロシュからもらったこのジアゼパムを元手に ユーロジン・コンスタンを自社開発しており、精神医療的には 山之内より貢献しているので、ネーミングセンスは大目に見ます。 クロルジアゼポキシド錠「リブリウム」の発売によって、 ベンゾジアゼピン系抗不安薬、という全く新しいジャンルを 切り開いたスターンバック博士ですが、博士はリブリウムの性能に 満足していませんでした。 当時市場を席巻していた抗不安薬「メプロバメート」よりも遥かに 安全性は高いものの、抗不安効果においては劣っていると感じて いたのです。リブリウムを基元物質として、より効果的な薬物を 探索するために、55個もの派生物質が作られました。 その結果、最も強い薬理活性を示したのがジアゼパムです。 ジアゼパムは、クロルジアゼポキシドに特徴的なN-オキシド構造が 無くなっています。N-オキシド構造だとベンゾジアゼピン環が 解裂して不活性化しやすいのです。これを廃し、メチルアミンを ケト基にして、メチル基をつけたのがジアゼパムで、構造式も クロルジアゼポキシドに較べてよりシンプルになりました。 ジアゼパムはクロルジアゼポキシドの5倍の抗不安効果を叩き出し、 「ヴァリウム」の名で1963年に発売されました。リブリウムの 発売から、わずかに2年後の話です。 その後のヴァリウムの伝説的な売れ行きは多くの文献が語る所です。 販売後20年間、米国でトップレベルの販売量を誇り、ピークの 78年には実に23億錠を売り上げました。米国でも社会問題となった リタリンでさえ3億錠だったわけで、いかに米国国民に浸透した 薬だったかが判るというものです。 それゆえ自殺用途としても汎用されましたが、大量に服用すると 急速に耐性が形成されるため、死亡率は極めて低く、かえって ヴァリウムの安全性を示す結果となりました。一部では自殺防止薬 とまで言われています。 1966年にはR.ストーンズによって「Mother's little helper」なる 歌が発表されました。この歌詞に出てくる「小さな黄色い薬」は ヴァリウムの事です。特に病気でもない普通の主婦が、辛い日々を 乗り切るために「小さなお手伝いさん」の力を借りているわけです。 ヴァリウムがサプリ感覚で使われていた事を示しています。 ちなみにこの歌はよく「ヴァリウム賛歌」と呼ばれていますが、 歌詞もメロディも陰惨で、60年代の閉塞した米国社会の日常を 何とか薬で凌ごうとするもの悲しい歌です。ビートルズのLSD賛歌、 「Lucy in the Sky with Diamonds」(頭文字がLSD)のような 希望に満ちた(?)歌ではないので念のため。 米国での発売より1年後、早くも日本でジアゼパムが発売されます。 ロシュ社が日本の大手製薬企業に人気があった…事は確かですが、 この頃の海外薬の製造承認が異常に早いのは、薬に関する法整備が まだ未熟だった為です。サリドマイド・クロロキン・ソリブジン等 数々の薬害事件を経て法整備が急速に進められた為、近年では このようなスピードで海外薬が認可されることはあり得ません。 結果として精神治療は欧米に較べて10~20年遅れてますが…。 ジアゼパムは抗不安・睡眠・抗てんかん・筋弛緩といった、 ベンゾジアゼピンの基本性能を非常にバランスよく備えています。 効果発現は30分~1時間と、ハルシオンと同等以上に早いです。 半減期は長いですが、すぐに体内の脂肪に取り込まれるので作用時 間は短いです。クロルジアゼポキシドのような苦みもないので 飲みやすく、また体内における吸収率も非常に高いです。 正直、クロルジアゼポキシドからたった1代で作られたにも 関わらず、極めて完成度の高い薬です。ベンゾジアゼピンはその後 大量にバリエーションを産みますが、主効果以外の要素、例えば 作用時間・副作用・耐性等を総合して考えた場合、ジアゼパムより 優れたベンゾジアゼピンは存在しないように思えます。 伊達に米国で20年ロングヒットしたわけじゃ無いですね。 特に筋弛緩/抗痙攣作用はベンゾジアゼピンの中でも強い方で、 子供の熱性痙攣にはジアゼパムの座薬が第一選択です。 日本にはリボトリールの注射が無いので、てんかんの重積発作には セルシン注が使われます。脂溶性が極めて高いので、筋肉注射は 不適。経口よりも吸収率が悪くなるようです。プラスチックの 注射容器にすら吸収されるとか。 セルシンの分解はほとんど肝臓のCYP2C19と呼ばれる酵素によって 行われます。この酵素、日本人の2割はほとんど持っていないので、 極端にセルシンが体に残りやすい体質の人もいるようです。 またこの酵素は喫煙によって増えるので、喫煙者はセルシンが 効きにくいみたいです。 米国ではバカ売れしすぎて、ベンゾジアゼピンの体に対する影響が 80年代頃から真剣に議論されるようになり、SSRIの隆盛もあって かつての勢いは見られませんが、アスピリンと同じくらい日常的な 薬になっています。キレがよくて何にでもとりあえず効くので、 日本でもデパスやドグマチールと同じ様に、精神科以外で よく使われています。 ちょっとした耳鳴りから狙撃時の手の震えまで、幅広いニーズに 答える薬。症状は何であれジアゼパム。 もひと~つ~、セルシン♪ |






そんなおそれおおい薬を、