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ちびまる向ちゃん(100)
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再開というにはかなりgdgdな更新ペースの反省を込めて年始の挨拶を。
(デレステの年末シンデレラガチャでSSRを引けず正気に返ったとも言う) 申年ですよ!ちまたでは某ソシャゲでサルに見立てたガチャキャラを 引き当てるまでに70万円以上つぎ込む話が話題になっておりますが、 我々の業界でサルキャラといえば!ご存じムコサルくんですよね(知らんわ 大塚製薬の胃薬ムコスタのマスコットキャラとして作られて幾年月。 ムコサルならムコサールだろ普通と突っ込まれながらもその愛くるしい 外見で大塚製薬の顔としてのし上がり、とっくに特許の切れたムコスタが ジェネリックに切り替えられるのをクリアファイルやカレンダーをばらまいて 必死で食い止めている姿は感動の涙をこらえきれません。 ならば年間売上70万円目指すムコサルくんを描くか!と考えていたのですが 昨年末から製薬会社の販促ルールが一様に変わったという衝撃的なニュース! どうやら医薬品の商品名を冠する販促品の配布が全面的に禁止になったとのこと。 それに伴い、各メーカーが独自に作っていた医薬品のイメージキャラクター達が 一斉にリストラされてしまいました! 医療用医薬品メーカーがTVなどの大衆向け宣伝媒体で商品名をアピールする事は、 以前から薬事法違反として禁止されていました。しかし業界紙など医療職が 目にするモノであれば宣伝は許されており、その流れでボールペンやメモ帳など 医療職がよく使う文房具類に商品名を入れることは容認されていたのです。 しかし、ボールペンのクリップ部に商品名が入っていたり先端にキャラクターが ひっついていたりするとこれは患者の目にも触れることになり、間接的な 宣伝になるのでは無いかという批判が昨年後半から製薬業界にあったようです。 近年、ノバルティス社ディオバンの効能に関する過大広告が厚労省に非常に 叩かれたことを受け、新薬メーカーを主体とする日本製薬工業協会(製薬協)は 昨年9月に医薬品広告の自主規制に関して新基準を設定しました。その中に 医薬品の品位を損なうようなイラストを用いたり特定の製品をイメージさせる デザインは避けるよう留意事項があり、オリジナルキャラクターの使用もそれに 抵触すると解釈されたのかもしれません。 従って大塚だけでなく、アステラスのゾン太くんも、MSDのクラリとティンも、 明治のメイアクトくじらも、中外のたみちゃんも、大正富山の萌えドロシーも、 ファイザーのハルシオンバードも、大日本の精神三羽烏も、田辺のドラルくんも エーザイのツキノワくんもみんな消えてしまうことに! なんちゅうこっちゃ!ノバルティスはホンマ余計な事しやがったなぁ! 擬人化のイメージが大幅に制限されることは間違いなく、各製薬メーカーが こぞってPTP裏に萌えキャラを描くバラ色の未来も閉ざされました(元々無い はぁ…キツネのいないアステラスの3ヶ月カレンダーを新年早々ブルーな気分で 眺めております。うぉっ、アステラスは患者用冊子からも既にゾン太くんを 削ってる!対応早っ! こんな悲惨な状況なのでネタ絵を投下。右隣にいるのはエルカルチンひつじ。 L-カルニチンは羊肉に多く含まれているというのを示しているらしいが イメージキャラとしてどうなんだw 左隣はどこでもガチンコえび華ちゃんです。 ありますようお祈り申し上げます。 あ、このブログは一銭も儲からないので規制とか知ったこっちゃないですけん。 今まで通りガンガン擬人化しまっせ!今年の抱負は…月イチ更新!(死亡フラグ
デレステ難い…フリックあんなに複雑だとか聞いてないよ…
MASTERフルコンに可能性を感じません。 ていうかデレステやってるとスクフェスのリズムが狂う。何故? どっちもイベントに突入してて掛け持ち辛いわ-。やるけど。 ということでひたすらデレステにはまってる毎日ですが、ふと気がつくと なんかジェイゾロフトのPTPに花が咲いてるではないですか! 季節外れのヒマワリ。あー今年の夏は短かったからなぁ…って違う! これは!ジェネリックの発売が近づくとあざとい包装をしてくる法則! ぱきるちゃんはCR変身という醜態を晒しましたが(ひどい)、どうやら ぞふぃーさんは服を着替えるだけに留めたようです。 大輪のヒマワリが目を引く綺麗なPTPで割と好き。願わくば最初から (ていうかジェイゾロフト擬人化する前から)このPTPにしてほしかった…。 今年の12月はパキシルに続く大型SSRIであるジェイゾロフトにジェネリックが 出ると言うことで、にわかに業界が活気づいております。 ジェイゾロフトはOD錠とか出してきたので、ジェネリックも6種類用意 しなければなりませんね!素晴らしい嫌がらせ!(主に薬局に対して ジェイゾロフトが発売されたのは2006年4月なので、ほぼ10年経過したことに なりますね。もっとも主要先進国では1990年前後で発売されているのでとっくに 陳腐化しており、2015年までジェネリックが無かったのは例によって日本だけ だと思います。なのでメーカーも最後の聖域を守ろうと悪あがきをしたがり、 パキシルCR錠だのジェイゾロフトOD錠だの出してくるわけです。薬局にとって 余計な規格を増やされる事は調剤過誤の原因にもなり迷惑でしかないのですが、 まぁこのブログ的にはネタが増えるのでよしとしましょう(笑 昨今は添加物も含めて先発品と全く同じ組成をしたジェネリック、いわゆる 「オーソライズド・ジェネリック(AG)」というものが話題となっています。 日本では(海外でも?)、先発品メーカーが自社製品のジェネリックを作る事は できません。しかしその不文律の隙を突いた存在がAGです。、 先発品メーカーがジェネリック製造用の子会社を立ち上げるか、既存の ジェネリックメーカーと合弁会社を作ったり買収したりすることで、先発品の 製剤技術をまるごとコピーしたジェネリックを作る事ができるのです。 AGが売れればAG製造会社が儲かるわけですが、間接的にその親会社である 先発品メーカーもライセンス料などで潤うことになるわけです。 AGは実質的に、名前の変わった先発品を安値で売っているようなものです。 ジェネリックが嫌がられる最大の要因は「本当にちゃんと先発品と同じ効果が あるのか?」という事なので、AGであればその懸念は全く無くなることに なります。患者的には安心を、医療機関的には説得力のあるジェネリック推進を、 そしてメーカー的には先発品よりも安定した売上を(なにせジェネリックなので 特許切れが存在しません)、という三方にお得なAGは、大型医薬品が次々と 特許が切れていく今後、より普及していくことになるでしょう。 普通のジェネリックより割高なので薬局的には人気薄ですが…。 もっともこのAG、ほんの数年前まで日本には存在しませんでした。結局AGは 先発品メーカーが形を変えて自分トコのジェネリックを作っているわけですから、 既存のジェネリック業界は当然反発します。ジェネリックメーカーの中には 高い製剤技術を持ち先発品メーカー医薬品の添加物を作っているところも あるので、余計な軋轢を作りたくない先発品メーカー達はAGという存在が 有効であると認知しながらもなかなか作ろうとしませんでした。 AGを日本で最初に作ったのは、空気が読めない外資メーカーのサノフィです。 サノフィは日医工という大手ジェネリックメーカーと合弁会社を作り、 自社製品アレグラのAGを作りました。次いでこれまた外資系のノバルティスが 自社製品ディオバンのAGを作ります。これだけならさほど話題にはならなかった のですが、その次にAGを作ったのは国内最大手かつ空気を読まないw武田薬品。 タケダがやるなら仕方ねぇな(マジありがてぇ)という事で次に手を出したのは 第一三共でした。今のところAGを作っているのはこの4社だけになりますが、 自社系列のジェネリックメーカーを抱えているGSK、エーザイ、大塚あたりは 今後自社製品に対してAGを作ってくる可能性が高いと思います。 今のところAGが発売されてる先発品の一覧: 2013.06 アレグラ :サノフィ→日医工サノフィ(SANIK) 2014.06 ディオバン :ノバルティス→サンド 2014.09 ブロプレス :武田→あすか製薬 2014.12 クラビット :第一三共→第一三共エスファ(DSEP) 2015.06 プラビックス :サノフィ→日医工サノフィ(SANIK) 2015.12 ユニシア(予定) :武田→あすか製薬 2015.12 エックスフォージ(予定) :ノバルティス→サンド (ただしあすか製薬は武田の完全子会社ではないので、あすか製品は AGとしての工程で作られてはいないらしい。欺瞞!) 何故唐突にAGの話をしたかと言えば、ジェイゾロフトにAGは出ないからです(泣 ファイザーは数年前から国内でマイランと提携しており、ジェネリック販売を 強化してきました。これは当然ジェイゾロフトAGを販売するための布石!だと 思っていたのですが、結局マイランとは提携に留めたのみで子会社も合弁会社も 作らず、自社製品をAGとして販売する戦略をハナから放棄しています。せっかく 精神科薬初のAGを出すチャンスだというのになんという消極!ブッダファック! …どうも、100~200億円/年程度の売上ではAGを作る程の動機にならないそうで。 先発品メーカーの影があるとは言え実際販売するのはあくまで子会社。 AGはマージンを抜かれるので子会社的には利幅が薄く、なるべく作りたくない。 一定以上の売上が見込めるならいいが年商200億程度の薬でAGを作るのは プロモーションや値引きも考えるとデメリットが大きい…という判断でしょうか。 ジェネリックの切り替え率を50%、薬価を先発の6割、AGのシェアが5割とすれば 年商200億の先発で200x0.5x0.6x0.5=30億程度になります。ジェネリックとして 見れば十分な売上ですが、利益の薄いAGでは少々寂しい数字なんでしょうね。 AGは患者にとって嬉しい選択肢ではあるのですが、残念ながら今後も大型医薬品 に対してしか発売されないかもですね。 ジェイゾロフトの年商は2014年で230億くらいなのでアウトのようです。 年商350億くらいのクラビットでAGが出たことを考えると、損益分岐は最低300億 位でしょうか。日本でそれだけ売れてる精神科薬なんてジプレキサ(570億)と エビリファイ(380億)くらいしか無いよ!…ということで、精神科薬初のAGは このどちらかか。リリーはジェネリック戦略に積極的じゃないから来年6月の ジプレキサ特許切れには間に合わないかな。じゃぁエビちゃんだな。 まぁ包装変更程度でジェネリック変更を押しとどめられるとは思いませんが、 理由が何であれメーカーが今まで適当に作っていたPTP裏のデザインに技巧を 凝らし始めたのは(擬人化イメージが膨らむので)よい傾向だと思います。 この調子でいけばエビリファイジェネリックが出る2017年くらいには 萌えキャラの一人も描かれることになるでしょうね!(ならねーよ せっかくなのでぞふぃーさんも衣替えさせてみました。森ガール風味を狙うも 配色が原色なので全然そう見えないのは私の擬人化によくある事です。 出てきておりますので、ついでに他の連中も包装変更させてみました(笑 画像が重いのでつづきに載せます。 つづきをよむ
いつの間にか1年以上過ぎとる!?
いやー実に長いこと放置しまくってました。 こまめにコメントを頂いて誠に申し訳ないです。 ぼちぼち返信を入れさせて戴きます。 リアルが忙しかったのだと言うとリア充っぽくて格好いいのですが どうにも全くそんなことは無く、単にスクフェスにハマっていただけです(汗 いやー反射神経も動体視力もリズム感も無いと音ゲーってキツイっす。 超難関フルコンするのはいつの日になるやら…でも多分デレステも手を出すw さて件のベルソムラですが、擬人化するつもりはむろんあった!…あったのだが MSDの凡庸なパッケージと薬としての無個性な性能にイメージがまるで湧かず、 3回くらい描き直してようやくこじつけました。 ※年数が経っていても画力が上がらないのは仕様です。むしろリハビリが必要。 一般名はスボレキサント。 規格は15/20mg。 愛称は「べそ村さん」。 特にさん付けしていることに 意味はないですが、なんか 呼び捨てが憚られるので。 MSDは業界No.1のインテリ会社なので ちょっと偉そうな学士さんタイプが お似合いなのですよ。 MSDといえば「白骨」とまでいわれるデザインしづらい真っ白で画一的な 個装箱が有名ですが、それをモチーフにすると思い切りとり乃先生と被るので 今回は無視する方向で。青は20mg、赤紫はベルソムラのシンボル?カラー。 デコの広さで頭の良さを演出。前髪切り過ぎちゃった系描いたこと無いので。 ダボダボ気味のアカデミックガウンは無駄にサイズのでかいPTPを現しています。 学士帽はまんま20mgPTPです。錠剤を頭に乗っけるのはロシュ直系だけという 学園の擬人化ルールに違反しているような気がしますが、まー彼女は次世代 睡眠薬の教導者的存在なので問題無いでしょう(いい加減 肩にかけてるケープを広げるとMSDマークになりますが分かりませんね。 右手に持ってるのは医師から患者まで幅広く愛用されている医学の聖典、 「メルクマニュアル」でございます。てことは一応医学生なのか?学園には 既にアミノフ先生という校医がいたような気がしますが、セクハラしてばかりで 評判が悪いので彼女を後釜に据えるつもりなのかもしれません。 性格はとにかく「退屈」の一言です。 もうとにかく一般的なことしか言わない。医師よりも公務員に向いてます。 話を膨らませる能力が決定的に欠け、「人それぞれ」「ケースバイケース」で 会話をシャットダウンさせてしまうテンション下げる系女子。適度な運動と 食事と睡眠をとれば病気なんて起こりませんから、とか言っちゃう。 やる気の源オレキシンを遮断する彼女に相応しい人となりと言えましょう。 アミノフ先生とは別ベクトルで嫌がられそうなお医者さんの卵です。 趣味は寝ること。成長ホルモンが出るお肌のゴールデンタイムを信じており 夜10時からきっちり10時間睡眠を取っています。おかげで肌は綺麗ですが、夢を 見せない魔法力のせいか平坦な胸はいつまで経っても残酷な現実のままです(笑 メルク家はドイツ系米国人の一家で、才人を多数抱える非常に優秀な一族だが、 本国学園とのつながりは意外にも薄く、わずかにDクラス准教授のとり乃、 旧オルガノン家の養女であるれめる・てとらを輩出するのみである。 べそ村さんはとり乃以来久々に生まれたメルク家直系の学園生であるが、 入園当初から既に新人としてでは無く、学園全体のナレッジを向上させる存在と して期待されている。またBクラスは酔っ払いやジャンキーなどの性格破綻者 ばかりが集まっているので、そういった連中の性根を矯正する役割も求められて いる…のだが今のところ講演が忙しくてクラスにあまり顔を出せていない。 クラスメイトよりも学園の技官達にモテモテである。 ただ彼女の能力は外見上平凡な(むしろ弱めの)魔法なので、クラス連中には さほど脅威と感じられていない。担任のべざり先生にはよくある中長期型被験生 としか思われておらず、ちゃんとクラスに溶け込めるか心配までされている始末。 だが創薬王メルクの血筋は良かれ悪しかれ世代交代を決定づける力を持つ。 かつてTCAのとり乃がりた率いるMAOIの勢力を壊滅せしめたように、 べそ村さんの到来もまた、BZD睡眠薬時代の終局を予感させるのであった。 そしてその変革の波は、この後すぐに訪れる…。 つづきをよむ
前回の記事は結構反響がありました。さすがに飲んでる薬にダイレクトな影響
があると思うとみんな真剣になりますね。 一応4月からの精神科薬多剤投与規制ルールをおさらいしておきますと、 <原則> ●抗不安薬・睡眠薬は各2種まで。 ●抗うつ薬・抗精神病薬は各3種まで。 ●上記ルールから外れた場合、下記の例外を除いて診療報酬が減額される。 ●6ヶ月の猶予期間を設け、ルール導入開始は2014年10月1日。 <例外> ●他医療機関からの転院患者は、ルール適応に6ヶ月猶予あり。 ●薬の変更時に前の薬を一時的に併用する場合、3ヶ月猶予あり。 ●抗うつ薬・抗精神病薬は1週間の以上の間隔を開けて臨時に短期投薬可能。 ●熟練の精神科医であれば、抗うつ薬・抗精神病薬に限り多剤投与可能。 となっております。ぼちぼち全国の精神科にも浸透してきたと思われます。 前回は具体的に何が抗不安薬とか抗うつ薬と定義されてるのか書いておらず、 片手落ちだったので今回補足しておきます。 参考資料は非常に分かりにくいところにある厚労省HP 診療報酬改訂のお知らせ の第3:関係法令等【省令、告示】 →(2)-3:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について (平成26年3月5日保医発0305第3号) →様式(医科)PDF →別紙36より。 エクセルファイルのものをわざわざjpg画像にして不便にし、 ついでに日数制限とカテゴリ分類を追加してもっと見づらくしてみました。 (画像クリックで別ウィンドウに拡大) なっております。ソフト双極性障害が増えてきた背景に合わせたのでしょうか。 ともあれ、リーマス・デパケン・テグレトール・ラミクタール・リボトリールの 5種は、今回一番の勝ち組と言えるかと思います。 特にリボトリールはベンゾジでありながら何の規制も無く、適応外で頻繁に 使われる事になるでしょう。りりぃ可愛いよりりぃ。 抗不安薬カテゴリは2種までの制限で、一番割を食ってるのはグランダキシン でしょうか。エセベンゾジと言われ作用も弱いけど、一応自律神経失調症用薬 としてそれなりの存在価値があったものが一気に平凡化してしまいました。 不安が長期続く場合は大概SSRIが処方されるので、ベンゾジ長短またはベンゾジ +その他の組み合わせで何とかセディールやハイゼットにも日の目があるかも しれません。アタラックスは普通眠剤として使われるにも関わらず抗不安薬カテ なので、超激戦の睡眠薬カテで競合しないラッキーな薬です。 問題の睡眠薬カテゴリは泥沼の消耗戦状態です。ベンゾジ長短、お守りのバルビ、 土台工事のロゼレムはそれぞれ需要があるのに選べるのは2種のみ。もう特定の ヨメを選別するのは諦め、基本ロゼレムと頓服眠剤を2週間ごとに色々変えて 出して貰うのがいいのかもしれません。その方が耐性も付きにくいかも? MSDからオレキシン系のスボレキサントが近々上市されるという噂があり、 これが更に戦線を引っかき回しそうな気がします。 抗うつ薬は3種までですが、三環系とSSRI/SNRIを併用することは普通ないので 全カテゴリで一番縛りがゆるいと思います。そのどっちか+レメロン+デジレル、 ドパミンが欲しければドグマチールorエビリファイ追加でしょうか。ドグマと エビが別カテゴリにあるのは非常にありがたいですね。 そしてベタナミンにうつの適応が残っていることを今知った。 リタはあれだけ騒がれてうつ適応削除になったのに、こっちは忘れられてる(泣 抗精神病薬は多剤投与の温床になり易いカテゴリですが、心療内科レベルで このカテをふんだんに使う事は考え難いし、精神科ならばもう多剤投与覚悟で 使うでしょうから、意外と問題にはならないような気がします。コントミン 換算値に注意しながら別系統の薬を組み合わせていく感じでしょうか。 鎮静系のコントミン・レボトミンは睡眠薬として使われるケースが増えるかも。 オランザピン以下は現在のくくりで非定型抗精神病薬と言われているものです。 ジプレキサ・セロクエル・エビリファイの御三家はもう抗精神病薬と言えるか 怪しいですね。医療費抑制を目的とするならこのカテゴリの薬を真っ先に リストラしたいところですが、残念ながら統失の範囲を超えて一番良く使われて おり、精神科薬の価格高騰による自立支援制度の存続が危ぶまれております。 という感じで、今回の多剤投与規制は役所が考えたにしては割と妥当なラインに 落ち着いているように思います。一番割を食うのは大量の睡眠薬を要求する 患者(たいてい自己負担無し)なので、これを減らす役には立つかも知れません。 今度は薬目的の複数医療機関同時受診が問題になるかも知れませんが、それは また別の規制によって修正されていくことでしょう。 とりあえず今回勝ち組と思われる3名を描いてみました。負け組を描くのは リストラされた時…でしょうかね(汗
定例薬価改正+消費税増税+診療報酬改正のトリプルアクセルで
日々胃を痛めている全国の薬屋さんはお元気でしょうか。 私は悩みすぎてピロリ治療のためにランサップ飲んでます。 唾液が苦い…。 まぁ薬局の苦労なんて医院には関係ないのですが、今回4月からの 医科用診療報酬改訂には精神科医にかなり影響しそうな文言が 追加されることになりました。 向精神薬の多剤処方は厳しく規制へ 抗不安薬・睡眠薬は各2種まで! 抗うつ薬・抗精神病薬は各3種まで! それ以上使う医者は無能認定な。 半年やるから減らしとけ。 …おおざっぱに言えばこんな感じです。 かねてより多剤投与とか薬漬け治療とか批判があった精神科薬を 大幅に使用制限するよう指導が入ったわけです。他の内科薬とかは こんな縛りないのにね。機械検査という客観的な指標の無い 精神科の弱点がここに来て出てきたわけですな。 ※3/5:例外規定が追加されたので補足します。 (詳細は厚生労働省の診療報酬改定説明会資料(医科・本体)より確認できます) 以下に該当する場合は、多剤処方ペナルティの適応外とする。 ●他の医療機関から転入してきた患者が、既に多剤投与されている場合 →6ヶ月猶予 ●薬剤を新規導入する際、以前の薬を一時的に併用する場合 →3ヶ月猶予 ●1週間以上の間隔を開けて臨時に短期(14回以内)投与する場合 (※抗不安薬/睡眠薬は除く) ●精神科の経験を十分に有する医師が、やむを得ず多剤投与する場合 (※抗不安薬/睡眠薬を除く。年一回地方厚生局に報告義務有り) まぁぶっちゃけ処方できない訳では無いのですが、上記の 量を超えて処方するとかなりのペナルティを食らいます。 ●処方料(院内処方):42点→20点 ●薬剤料(院内処方):100%→80% ●処方箋料(院外処方):68点→30点 ●精神科継続支援・指導料(精神科のみ):55点→ゼロ 院内処方をする医院の場合、単純に考えて22+55=770円/人の 収入を失います。おまけに患者に使った薬代の20%は回収 できません。こんなリスクを抱えてまで多剤処方をしたがる 医師はいないでしょう。自己負担の無い患者が睡眠薬を大量に 持って帰るという状況は激減しそうで喜ばしいことです。 「眠れへんねや!」とか薬局で叫ばれる気がしてゲンナリですが。 しかし睡眠薬を2種類までとなると、当然患者は強い薬を 求めたがるでしょう。その結果ベゲタミンやラボナのような 他の薬の効果を妨害する出来の悪い薬が蔓延するのではないか? 上限量の定まってない睡眠薬が多量に出されるのではないか? 一方で長期服用によって効果を現す、依存性の少ないセディールや ロゼレムは駆逐されてしまうのではないか?という風に 抗不安薬・睡眠薬による治療が歪められないか気になるところです。 しかもこの書き方はそれぞれの薬の定義が曖昧で、解釈が 分かれそうな気がしますね。 デパスは抗不安薬?睡眠薬?抗うつ薬? エビリファイは抗精神病薬?抗うつ薬?気分安定薬? それとも他の薬があればデパスやエビリファイはそれ以外のカテゴリでOK? 眠剤として有用なレボトミン・デジレルも統失・抗うつにカウントされるん? ハイゼットやアタPのような他の薬効を持つ抗不安薬・睡眠薬はどうなるの? 漢方は関係ないと言うことで良い? この4月までの1ヶ月で定義が定まれば良いのですが、多分うやむやに なったままなし崩し的に始まりそうな気がします。ただ今まで多剤投与 されてた患者からいきなり薬を抜くと悪影響が予想されるので、経過措置が 今年の10月まで設けられており、減薬の努力をするよう求められています。 つまりまだ半年の猶予があるので、多分解釈も定まるでしょう…定まるよな? しかし同種の三環系抗うつ薬やベンゾジ数を制限するならともかく、薬理の 異なる薬を一緒くたにまとめるのはどうなのかね。血圧の薬とか5種類くらい 普通に飲むでしょ。 中でも細かくカテゴライズされてるのはガン無視ですか。なんか乱暴な決め方の 様に思えます。 定義から外れているだけまだマシなのかもしれませんが。 →※ベテランの先生(臨床経験5年以上などの条件アリ)ならば、抗精神病薬と 抗うつ薬に限り多剤投与を認められたようなので、一部記事を削除します。 診療報酬の改正は、厚労省が案を出した後に識者たちのパブリックコメントに よって修正をかけていくものなのですが、そのパブコメの募集期間は 一月の一週間程度と非常に短く、しかもあまり宣伝されないのでほとんど 気づかれずに終わります。今回得られたコメントは1000人分程度でした。 それでも精神科薬の多剤投与制限に関しては最多の437件の意見が寄せられ、 うち354件が反対だったにも関わらず今回の結果に至りました。 パブコメの存在意義ェ…。 以下はそのパブコメの主な内容です。 ●多剤処方する患者はそもそも治療抵抗性が高いからそうなってるのだ。 ●多剤処方する患者ほど診断が難しいのに診断料を減らされる意味が不明。 ●薬効や用量など薬の特性を考慮せず、薬剤数で規制する医学的根拠は? ●内科で精神科薬を多量に使っても診断料が減らないのは矛盾してる。 ●患者の自己負担額を上げる方向で対応すべき。 ●半年で減量は難しすぎる。せめて二年ないと軟着陸できない。 とまぁ多くの問題をはらんでいる今回の診療報酬改訂ですが、 このブログ的に最大の問題は上記のような事ではありません。 この改訂によって多くの薬がリストラされるのではないか? と声を大にして言いたい。ただでさえ半分死んでるようなマイナーなベンゾジが これ幸いとメーカーに製造打ち切り判断される可能性は大いにあり得ます。 折しもこの2月、塩野義によってウインタミンの製造打ち切りが発表されました。 かなりの精神科に入ってるはずの超有名な抗精神病薬ですが、年間売上は 5億以下と振るわず、同効薬に田辺のコントミンが存在することから判断された ようです。現代精神薬理学の基礎を作り上げ、60年もの長きにわたり 存在意義を証明し続けたクロルプロマジンですらこの扱い。 セルシンの後雨後の竹の子のように出現したベンゾジ達が今後も生きながらえる 事が出来るか、非常に厳しいのではないかと思います。セダプランは始まりに 過ぎなかったのだ。メレックスは…レスミットは…メンドンは…。 あれ?無くなっても誰も気がつかない?(汗 |